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More than enough is too much.

 
 アトリビュート・リスト は、データ 項目ごとに作成される ドキュメント である。
 アトリビュート・リスト のなかには、「最低限」、以下の 4つを記述しなければならない。

 (1) 定義
 (2) 前提 (baseline)
 (3) セキュリティ (lock level)
 (4) 計算式

 「定義」 は、データ の属性を記述する。
 たとえば、桁数 (length) や、文字 (character) あるいは数値 (numeric) や、± 符号 (sign-bit) の有無とか、(もし、あるなら) 値が走る範囲 (range、上限下限) など、データ を物理的に実装するための指示記述である。

 「前提」 は、データ に付属する バリデーション・ルール を記述する。
 バリデーション・ルール は、網羅性を実現していなければならない。網羅性を、どのようにして実現するか、という点については、「データ 解析に関する FAQ」 の以下の ページ を参照されたい。

 (1) 49 ページ
 (2) 69 ページ
 (3) 185 ページ

 「セキュリティ」 は、データ に対する ロック (lock) を指示する。
 ロック は、データ に対する アクセス (表示・更新・削除) 制限のことをいう。

 「計算式」 は、計算項目 (derivation) に関する アルゴリズム の記述である。
 たとえば、「請求」 entity のなかに、「請求金額 (D)」 が、いったん、記述されているとすれば(注 1)、請求金額を計算する式を記述する。

 以上の記述は、それぞれの データ ごとに記述される(注 2)
 それぞれの データ ごとの アルゴリズム のほかに、画面上の表示編集や、夜間 バッチ 用 ファイル や、ほかの システム との インタフェース・ファイル (あるいは、ターボ・ファイル) の生成などの アルゴリズム がある。したがって、画面ごと (あるいは、バッチ ごと、受送信ごと) に、アルゴリズム を指示しなければならない。そのために作成する ドキュメント が、「アルゴリズム の定義表」 である。
 「アルゴリズム の定義表」 の記述は、できるかぎり、A4 用紙の 1枚以内とする。そして、以下の 4つが、一覧表形式として、記述される。

 (1) インプット (テーブル 群)
 (2) アウトプット (テーブル 群)
 (3) アルゴリズム
 (4) 使用する インデックス (「INDEX-only」 を前提にしている)

 T字形 ER手法を使って生成した データ 構造は、従来の ソース・コード を 70%ほど削減して、かつ、「nested-IF」 が、ほとんど、起こらないように配慮されている。したがって、「アルゴリズム の定義表」 では、文章の記述は、従来の仕様書の書きかた とは違い、簡単な箇条書き形式である。
 読むこと自体が苦痛になるような多量の文章情報は避けなければならない。

 
 (2004年7月1日)

 
(注 1)
 T字形 ER 図のなかで、導出項目 (derivation) は、(D) を付与される。
 計算結果項目は、データ 正規形のなかには、記述しないのが原則である。しかし、計算結果項目は、計算式 (アルゴリズム) を作成しなければならないので、アトリビュート・リスト を作成するまでは、T字形 ER図のなかに記述しておかなければならない。計算結果項目が、画面・帳票のなかに記述されていて、データ 構造のなかに記述されていなければ、SWAT チーム は、計算結果項目に関して アルゴリズム を作成することができない。アトリビュート・リスト を、いったん、作成したら、計算結果項目を削除すればよい。
 なお、T字形 ER図では、複写項目 (データ 重複) も、(D) を付与される。

(注 2)
 アトリビュート・リスト の対象となる データ は、自然言語を使った論理名称 (descriptive-name) が記述されているので、さらに、データ の物理名称 (access-name) を付記することもある。また、その データ が収められている テーブル の論理名称・物理名称を付記することもある。


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