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Judge not a book by its cover.

 
 T字形 ER手法のことをいえば、僕は、SDLC (System Development Life Cycle) のなかに生じている--「分析」 と 「設計」 のあいだに生じている--「溝」 を排除して、RAD 形態のなかで、なんとか、1つの モデル を使って、「分析」 と 「設計」 を融合できないか、と考えていました。

 T字形 ER手法は、当初、「resource」 概念 と 「event」 概念を、「最適な キー 設計」 として導入しました。すなわち、「最小 (数) の キー を使って最大の パフォーマンス を実現する」 ことを狙っていました--T字形 ER手法の起点は、コッド 関係 モデル だったので。

 しかし、そういう考えかたをして、コード 体系 (のなかに記述されている単独の [ 1つの データ 項目として記述されている ] 番号 ・コード--たとえば、商品 コード とか受注番号とか) を アクセス・キー として使ったら、キー と コード 体系が、かならずしも、対応していないという壁にぶつかりました。
 というのは、コード は、(個体を認知するために、) 認知番号として使われていることもあれば、「入力の簡便性」を配慮して導入されていることもある、という事態がわかってきたからです。しかも、コード 体系の コード が、かならずしも、キー (primary-key) として、データ を一意にしないこともある。

 さらに、コード (の中身) の構成が、1970年代に導入されたまま--つまり、V-SAM 用のアクセス・キー (構造化概念のなかで組まれた キー) であって--、関係 モデル には、かならずしも、適合しない 「索引 (indexing)」 であることも、わかってきたのです。

 1つの手法 (T字形 ER手法) を使って、概念設計・論理設計・物理設計の 「溝」 を排除しようとしたら--すなわち、データ 構造が、事業の中身を記述するようにしたら--、しまいには、「マスター・キー (一意性を検証する キー) を捨てなければならない」 という所まで至りました。「マスター・キー を捨てなさい」 ということを、僕が セミナー のなかで言うと、往々にして、真意を誤解されるのですが、「RDB 用の primary-key は、概念設計のなかでは、足手まとい となる」 ようです。

 
 (2004年 9月23日)

 

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