このウインドウを閉じる

A wise man changes his mind, a fool never.

 
 「絶対的真理」というのは、モデルにはないのではないでしょうか。
 モデルは、あくまで、「仮説」にすぎない、と僕は思います。

 無意味な現実というのはないので、もし、事業過程のなかで、あらたな現象が出てきて、それが、モデルと齟齬を起こすのであれば、モデルを修正しなければならないのか、それとも、その事象が、一過性の「例外」なのか、という点を、丁寧に調べなければならないし、事業過程のなかで起こる「すべて」の事象に対して、すべての stakeholders の目的を満たすようなモデルもないでしょう。

 クライアントと仕事をしていれば、トップマネジメントから僕に対して指示されるミッションと、事業過程のなかで作業をしている人たちの「改善の狙い」がズレることも、ときどき、起こっています。そういうときには、コンサルタントは、事業戦略と作業手続きを調整するのが、非常に辛い (僕の愚痴です--苦笑)。
 その調整をするときに、T字形ER図が役立っています。T字形ER手法 (あるいは、モデル) は、あくまで、「生身の」事象を上手に対応するための単なる技術です。

 僕は、数学の技術を使っていないのですが、それでも、数学に惹かれる理由は、モデルが「仮説」にすぎないのであれば、「仮説」が (矛盾をふくんでいないことや、不意打ちがないことを保証してくれるための) 「無矛盾性・完全性」を提示してくれるからです。

 モデルというのは、以下の諸点を、いかに、調整するか、という「仮説」だと思います。

 (1) 実効性 (ききめがあること)
 (2) 単純性 (つかいやすいこと)
 (3) 整合性 (理論的に妥当であること)

 
 (2004年12月 8日)

 

  このウインドウを閉じる