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Two heads are better than one.

 

 日本経済新聞は、 8月22日付紙面 (第一面) として、ふだんの報道記事に比べて、異質の記事を掲載しました。その記事は、--当日、ほかに報道する事件がなかったのかもしれないので、そういう枠組みにしたのかもしれないのですが (笑) --、「時代進める 『知の修練場』 (第一部 今、そこにある未来 [ 1 ]) という headline でした。しかも、「『見せるが価値』 共有」 という--たぶん、「見せるが勝ち」 をもじった--スホ゜ーツ 紙が得意とする語呂まで使っていました (笑)。

 その記事は、「きょうの できごと」 を報道する記事ではなくて、日曜版の特集記事にしたほうが良いと思われる中身だったのですが、「インターネット は普及からわずか十年。情報通信技術の革新は社会に深く浸透し、政治や経済、企業のあり方や人間の心までも変えようとしている」 (原文) ということを伝えていました。

 コンヒ゜ュータ業界で仕事している人たちにしてみれば、その記事 (の中身) は、「なにを今さら (too late)」 という記述でしょうが、一般紙が、そういう記事を、第一面で扱った、ということは特筆されていいでしょうね。
 日本経済新聞の その後の報道でも、(日本経済新聞社が実施した第2回金融機関評価調査では、) 「顧客満足度、ネット銀上位」 という大きな headline が掲載されて、その副題は、「大手銀は低迷 郵便局 12位」 でした。

 ぼく自身は、ハ゜ソコン を インターネット に接続して、東京三菱銀行が運営している Direct Banking を使っていますし、携帯電話を使って (iアプリを使って)、銀行の残高照会・振込をやっています。夜中であっても、振込ができるので、Direct Banking を重宝しています。携帯電話も、FeliCa を搭載した いわゆる 「お財布けーたい」 を使っていますが、「お財布けーたい」 に搭載されている 「Edy」 は、まだ、使うことのできる店が少ないので、(「Edy」 を登録していますが、) 使っていない。

 ぼくの記憶が曖昧なので、正確な年月を示すことができないのですが、たぶん、6年ほど前のことだったと思うのですが、ぼくの クライアント が、ト゛キュメント 管理システム を作る際、以下の構成を使いました。

  (1) フリー BSD
  (2) PostgreSQL
  (3) NETSCAPE のフ゛ラウサ゛

 すなわち、すべて、「ただ (無償)」 のソフトウェア です。データ構造は、T字形ER手法を使って作り、そのまま、実装して、体感 レスホ゜ンス は、1秒を実現しています。一人の女性が、そのシステム を作りました--彼女は、「わたしは、エント゛・ユーサ゛ です」 と言っていましたが、それらの ソフトウェア を、自在に、使いこなすには システム・エンシ゛ニア のはずです (笑)。
 ちなみに、彼女が言うには、費用は 「ただ (無償)」 ではなくて、PostgreSQL の参考書を買ったので、「2,000円少々」 の出費があったそうです。ぼくの コンサルテーション 代が、いちばんに高い、という結果になりました。

 ComputerWorld 紙 (英語版) は、August 05 付けで、「Open-source apps becoming more enterprise IT-friendly」 という記事を掲載していました。日本経済新聞の報道では、日本・韓国・中国 が、共同して、「Asianux」 (Linux の アシ゛ア版) を作った、とのことです。
 Open-source 化の流れは、今後、拡大することがあっても、縮小することはないでしょうね。

 PostgreSQL は、現時点では、「index-key の降順」 や 「high-value と対比して、(high-value の)1つ前の値を入手する」 という機能が搭載されていないのですが--ハ゛ーシ゛ョンアッフ゜ のなかで、搭載されることを、ぼくは期待していますが--、それらを除外すれば、商用目的に耐えうる テ゛ータヘ゛ース として成長してきました。会計の仕訳テ゛ータ 1,500,000件の借方金額を合計する事象 (「sum」 関数) に対して、PostgreSQL を使って、(サーハ゛ は、それほど強い CPU ではなかったのですが、「INDEX-only」 を駆使して、) 体感レスホ゜ンス にして、1秒強 という高ハ゜フォーマンス を実現することができました。

 Open-source 化は、いっぽうでは、security を配慮しなければならないので、security を扱う ソフトウェア も、今後、マーケット を拡大するでしょう。

 さて、以前、(「反コンヒ゜ュータ 的断章」 のなかで、) SWAT チーム の 「適正な値段」 について言及したのですが、open-source 化の流れのなかで、(open-source を使った システム 作りに対して) 付加価値を与えるはずの コンサルテーション は、いかにあるべきか (コンサルテーション の中身と、値段)、という点を再考しなければならないのかもしれないですね。
 豊富な事例を知っていることが、コンサルタント の強みにはならないでしょうね。というのは、open-source 化された アフ゜リケーション (あるいは、ハ゜ターン や コンホ゜ーネント) が提示されていれば、(考えるための) 1つの参照項になるから。

 コンサルタント を仕事にしている ぼく自身のことを言えば、「コンサルタント の使命は、クライアント に対して、考えることを迫る」 ことだと思っています。「知識を持っていること」 を、1つの強みとするような 「古い型の」 --すなわち、書物を読めば習得できるような教科書的知識をセールス したり、open-source 化された知識・技術をセールス するような-- 「音声の出る テキスト 的な」 コンサルタント は、マーケット から駆逐されたほうがいい、と思う。
 ウェッフ゛ が 「時代を進める 『知の修練場』」 であるのならば、コンサルタント は、クライアント に対して、「時代を進める (生身の) 『知の修練者』」 でありたい、と思う。

 
 (2005年 9月16日)

 
[ 補筆 2006年 1月 1日 ]

 日本経済新聞社は、2005年12月末、(本文中に引用した)「第2回金融機関評価調査」 において集計の間違いがあったことを公表して、調査報告を修正しました。訂正された報告では、郵便局や いくつかの銀行の順位が、若干、変動しましたが、さほど、大きな変動ではなかったので、本 ホームヘ゜ーシ゛ の記述に対して影響はないようです。

 

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