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He who would the daughter win must with the mother first begin.

 

 TM (および TM') の前身たる T字形 ER手法は、そもそも、小生が 情報 システム・コンサルタント として仕事する際に使うために作られた。コンサルタント を仕事にしている小生は、複数の clients を同時に請け負うので、特定の client に常駐することはしない(1社ごとに、まいつき、2回、訪問する--2週間に 1回の頻度で訪問する--のが基本形態である)。言い換えれば、常駐しないので、短い時間のあいだに--1日か 2日かで--、clients の事業 (管理過程) を 「詳細に・具体的に・正確に」 理解しなければならない。

 しかも、clients が小生に期待している役割は、事業のなかに潜んでいる問題点 (issues) に対する ソリューション を短納期に実現する (1,000,000 ステッフ゜ 規模の アフ゜リケーション・システム を 6ヶ月で導入すること) という点である。

 1日あるいは 2日で、client の事業過程 (管理過程) を読み切るというふうに言えば、ホラ (a fish story) 話のように響くかもしれないですね (笑)。でも、それは ホラ ではない。6ヶ月という期限内に システム を導入するのであれば、分析・設計に割り当てることのできる期間は 2ヶ月 (あるいは、最大でも 3ヶ月) です。とすれば、テ゛ータ の分析に対して、3ヶ月とか 6ヶ月を割り振ることなどできないし、コンサルテーション の初期段階で、テ゛ータ の意味を読み切っていなければならないでしょう。

 TMD (TM Diagram) の semantic proofreading では、最初の 2回が勝負点になります。すなわち、最初の semantic proofreading の時点で、作図された 「構造」 を、client といっしょに読みながら、「構造」 上の不一致点・矛盾点を探して、client に対して、数々の質問を投げて、事業過程を 「逆解析」 します。

 誤解が起こらないように記しておきますが、client の作図力は、当然ながら、初級ではないという点を前提にしています。すなわち、少なくとも、TM (および TM') の文法違反をしない--言い換えれば、構文論的に正当な作図ができる--という前提です。(注)

 TMD が適切に (文法違反をしないで、) 作図されていれば、TMD を基礎資料にして、client の管理過程を読み切り、事業過程を 「逆解析」 することは、フ゜ロフェッショナル な コンサルタント であれば、それほど難しい仕事ではない。

 「フ゜ロフェッショナル な コンサルタント」 という意味は、以下の諸点に関して、知識 (Frame of Reference) を習得していて、かつ、思考力を体得している コンサルタント を示しています。

 (1) 管理過程 (購買管理・生産管理・販売管理・財務管理) に関する知識
 (2) Logic (数学基礎論、論理学、哲学、言語学) に関する知識

 小生は、以上の知識に関して、フ゜ロフェッショナル な コンサルタント として、それなりに習得しているつもりです。「(SE は、) 業務知識を習得しなさい」 ということは、昔から繰り返して言われてきた buzzword ですが、(業務知識を、たとえ、習得していたとしても、) 「論理的に」 考えることのできない SE が多いことを小生は観てきて唖然としています。こういう知識 (参照項) および思考力がないままに、「事実を記述する」 というふうにうそぶいて、「事業を分析する」 と言っても戯言にしか響かないでしょうし、それこそ、ホラ (a tall tale) だと小生は判断します。

 
(注) client が TM を「初めて」使うときには、小生は以下の点を、まず、確認します。

 (1) システム 作りのなかで、DA を (2段以上になるように、) 教育する。
 (2) DA 教育を度外視して、まずは、システム を 6ヶ月で導入する。

 もし、(1) が client の依頼であれば、システム 導入期限として、6ヶ月を外して、1年くらいの導入になることを了承してもらっています。DA 教育を並行するのであれば、TMD の semantic proofreading は DA 教育を兼ねるので、6ヶ月 (12回の指導、つまり 2回/月 × 6ヶ月)を見積ってもらっています。  もし、client が、すでに、TMD を作図できる力を習得しているのであれば、小生の参加は 2ヶ月くらいで大丈夫でしょうし、その2ヶ月も、(TMD の レヒ゛ュー に重きを置かないで、) 「問題点の感知と改善案の提言」 という 「本来の」 コンサルテーション が主体となるでしょう。

 
 (2006年 2月 1日)

 

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