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The goodman is the last who knows what's amiss at home.

 

 対象を正しく判断するためには、以下の手続きは、たぶん、どの学問領域でも同じように もとめられる力ではないでしょうか。

  (1) 資料を読める力
  (2) 資料を整理する力
  (3) 資料を総合し判断する力

 
 偏った判断に陥らないためにも、資料は、信憑性の高い テ゛ータ を網羅していなければならないでしょう。

 システム・エンシ゛ニア が (事業のなかに潜んでいる) 問題点を感知して、ソリューション を提言する (設計する) という仕事のなかでも、以上の力は、当然ながら、もとめられている力です。とすれば、(1) では、まず、資料 (信憑性の高い資料) を網羅しているかどうかという点が論点になります。しかも、「資料を読める」 ためには、管理過程 (購買管理、生産管理、販売管理、労務管理、財務管理) に関する知識を習得していなければならないでしょうね。
 この点では、ユーサ゛ との面談を第一義に考えているようなやりかたを小生は軽蔑します。ユーサ゛ との面談は、「網羅された」 資料を読んで、資料を整理したあとで実施するなら有用性を認めますが、最初から、面談に頼った分析など信憑性が怪しい。そして、管理過程に関する知識を軽視して、モテ゛ル (modeling) に夢中になっている システム・エンシ゛ニア を小生は軽蔑します。モテ゛ル は、あくまで、資料を整理する技術であって、モテ゛ル のみに夢中になっても、practitioner としては落第でしょう。

 システム・エンシ゛ニア が つねに意識していなければならない点は、信憑性の高い資料を網羅しているかどうかという点です。

 資料を整理する力は、モテ゛ル の論点なので、(ほかの ヘ゜ーシ゛ で、いくども、言及してきたので、)きょうは割愛します。

 資料を総合し判断する力は、管理過程に関する知識を前提にしています。
 以前にも述べましたが、小生の愚息が、TM を使って、(拙著 「論理 テ゛ータヘ゛ース 論考」 の 177ヘ゜ーシ゛に記載されている) 「受注入力画面」 に対して、妥当な構造を 5分間で作成しました。しかしながら、かれは、その構造の 「意味」 を読めない。「構造」 の 「意味」 を読むためには、まず、「構造」 が示している 「形式的な (構文論的な)」 不一致・矛盾点を探さなければならないし--「論理的に」 考えることが前提ですが--、次に、受注に関する管理知識 (参照項) を対比して、「構造」 の 「実質的な (意味論的な)」 適否を判断しなければならないでしょう。

 きびしい非難になるかもしれないのですが、(事業過程を対象にして コンヒ゜ュータ・システム を設計している) システム・エンシ゛ニア たちの習得している 「管理過程の知識」 が極めて乏しいことを小生は嘆いている次第です。

 
 (2006年 2月 8日)

 

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