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Second thoughts are best.

 

 数学基礎論 (現代集合論) のなかに、「モデル の理論」 という学問領域があります。「モデル の理論」 は、形式的公理系の解釈を扱う学問領域です。この領域の基礎知識を学習するには、以下の書物を お薦めします。

     田中一之、「数の体系と超準 モデル」、裳華房、2002年。

 私は、「論理 データベース 論考」 を 2000年に出版しましたが、以下の 2点を目的としていました。

   (1) T字形 ER手法の意味論を転回する。
   (2) 「関係の論理 (aRb)」 に関する構文論を検討する。

 (1) では、T字形 ER手法は、当初、意味論として、「写像理論」 を前提にしていたのですが、その前提を (「語-言語の形態論」 の観点に立って、) 「言語 ゲーム」 のほうに転回しました。その転回は、ウィトゲンシュタイン 哲学の転回 (前期哲学から後期哲学へ) を、そのまま、取り入れました。そして、拙著 「論考」 では、意味論の前提を転回することで精一杯で、意味論そのものを検討できませんでした。

 私は、「論考」 を執筆するために総力を注ぎ、「燃え尽き症候群 (burn-out)」 を患い、しばらく、虚脱状態に陥ってしまいました。当時 (2000年前後)、T字形 ER手法の使いかたとして、データ 設計手法を弱めて、語-言語の分析手法という傾向を強めはじめました。つまり、T字形 ER手法は、事業の管理過程で使われている 「情報」 を対象にして、「『意味』 の伝達体系」 を記述する手法として使うようになったのです。そうしたら、事業過程・管理過程を対象にすれば、モデル は、どこまで、モデル として構文論・意味論を構成できるのかという点を検討しなければならなくなったのです。
 そのために、私は、モデル の理論を 「意味論の観点から」 検討しなければならなくなったのです。そして、私は、前述した田中一之氏の著作を、まず、学習書として読みました。そして、改めて、意味論の観点から、パース、フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタイン、ホワイトヘッド、ポパー、カルナップ、クリプキらの著作を読み直しました。

 意味論には、記述的意味論と論理的意味論がありますが、事業過程・管理過程を対象にしたときに論点になるのは、論理的意味論を どこまで構成できるか という点です。拙著 「論考」 を出版したあと、T字形 ER手法は、まさに、「事業過程・管理過程を対象にした 『論理的意味論の構成』 ができる」 ことを示すために整えられてきたと云っていいでしょうね。そして、その思考過程--論理的意味論としての構成を検討した爪痕--を示したのが、「赤本」 (2005年出版) です。

 そして、「赤本」 の観点に立って 「論考」 を読めば、「論考」 を増補改訂しなければならないことを感じています。すなわち、「赤本」 に対応するように、「論考」 には、モデル 理論・グラフ 理論を増補しなければならないでしょうね。
 ただ、「論考」 も 「赤本」 も、いわゆる 「通論のテキスト」 ではないので、マーケットでウケる書物ではないでしょう。したがって、それらは版を重ねるのが むずかしい、、、。それでも、この 2冊は、息のながい書物だと自負しています。マーケット でウケない 「論考」 (現時点で 3刷) が版を重ねて、増補できることを祈っていて下さい。「論考」 の増補改訂は、私の宿願です。

 
 (2006年11月 8日)

 

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