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Logic makes the diagramming (to) go.

 

 逆説的に響くかもしれないけれど、システム・エンジニア は、「モデル」 を作成すること (modeling) によって、「現実」 を発見してゆくほかにしかたがない。

 しかし、純然たる人間関係的問題も、純然たる事業的問題も、共に モデル 固有の問題ではないと、この頃の私には思われます。モデル 固有の問題とは、「モデル 対 現実的事態」 (あるいは、「システム・エンジニア 対 現実」) の問題ではないかしら。もしそうだとすれば、モデル 固有の問題は、かくて、われわれが現実的事態を いかにして コンピュータ のなかに記述するか──言い換えれば、「論理法則」 を使って、いかにして、コンピュータ のなかで構成できる形式的構造を与えるか──という問題に帰着するでしょうね。なお、「論理法則」 という語を使った理由は、もし、「論理法則」 を前提にしないのであれば、われわれが生きながら どうして (そして、いかにして) 作品を作るかという小説固有の問題と区別できなくなるから。「小説とは、本質的に方法論を模索する芸術」 (三島由紀夫) です。そして、モデル も、本質的に 「公理系」 を模索する技術です。モデル が モデル として成立するためには、ほかの専門技術と際立って相違する点は、「論理法則」 を前提にしているという点でしょうね。

 この点を外してしまうと、画法 (diagramming) を モデル (modeling) と思いこんでしまう危険性が高い。

 
 (2008年11月16日)

 

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