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People say that life is the thing, but I prefer reading. (Logan Pearsall Smith)

 

 Bloomsbury Thematic Dictionary of Quotations の セクション books のなかで、以下の文が私を惹きました。

    A book may be amusing with numerous
    errors, or it may be very dull without a
    single absurdity.

    Oliver Goldsmith (1728-74) Irish-born British writer.
    The Vicar of Wakefield, Advertisement

 
 books の カテゴリー には 46編もの数多い引用句があったのですが、私を惹いたのは上に転載した一文でした。

 私は エンジニア を職にしているので、アルゴリズム の無矛盾性を最大限に重視します。いっぽうで、書物を読む場合には、書き手の意見が はっきりしていれば、その論証のなかで間違いがあっても さほど気にしない──というのは、書き手の意見に照らして、その間違いを訂正すればいいし、場合によっては、その間違いが生じた理由を推測して、私のほうでも新たな着想・論証が産まれることがあるので。

 しかし、すでにわかりきった意見を興味本位に面白そうに書いてあるのみで、それ以上の発見・工夫が語られていないミーハー本のなかで、論の構成において一つの ミス がないとしても、代わり映えしない論を ちゃんとした大人が昂奮するはずはないでしょうね。あるいは、天才の原典に対する (著名な学者の手になる) 注釈書を私が読んで、その註釈が without a single absurdity であっても、私は やっぱり退屈しか感じないこともある──原典の持つ・熱を帯びた質量を感じられない場合があるので [ 勿論、註釈がすばらしいので惹かれることがあることも綴っておくべきでしょうね ]。寧ろ、原典のほうが、一見、absurdity (= which is inconsistent with accepted ideas, common sense, or sound reason) を感じさせるのではないかしら。なぜなら、天才は、われわれが観ている事実を新しい光で照らしているから。それを知るには (天才の) 書物を読むしかない。

 
 (2011年 7月16日)

 

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