< anti-computer-20180615
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Habit is stronger than reason. (George Santayana)

 

 Bloomsbury Thematic Dictionary of Quotations セクション Habit の中で、次の文が私を惹きました。

    Old habits die hard.

    Proverb

 
 「マナー (作法、慣習)」 とか 「ルーチン (routine work)」 とか 「癖」 も習慣の形態 (異称) でしょう。習慣の根柢にある概念は、「反復される行為」──反復して習得し、効率良く (少ない労力で) くり返される固定した行為──でしょうね。反復と省力が習慣の性質 (構成条件) でしょう。

 私たちは一人で生活している訳ではないので、自分の生活のほかに仕事や社会のなかの出来事に関与して、様々な運動系のなかに置かれています。自分の生活習慣が仕事や社会の習慣のなかで次第に変化することもある。その変化を体感する出来事が就職するときや結婚するときなどでしょう──その運動 (就職、結婚など) のなかで、異なる習慣を持つ人々が直に向きあうので、それぞれ相手の習慣を考慮してそれぞれ自分たちの習慣を或る程度調整しなければならない。習慣だといっても、調整 (工夫) を免れる訳ではない。そういうふうにして調整 (工夫) を重ねながら ズッと培ってきた古い習慣は なかなか壊れない (Old habits die hard)。習慣は、「第二の天性 (a second nature)」 と云ってもいいかもしれない。

 習慣は、個人に限らず、家庭や事業組織 (事業風土や事業の やりかた) や村・町・国にも観られる行為 (運動) です。社会から隔離されていない限りは、それぞれの大小の習慣が一環した運動 (断絶のない運動) のなかで営まれているのは確かでしょう。そして、習慣が大きな主体 (事業、国など) の習慣であればあるほど、それを調整する (直す) には多大な時間を費やすことは簡単に想像できる。

 大企業が環境変化に対応するのが鈍いと云われますが、彼らは環境変化を知覚していても、組織が大きいほど、網の目のように張り巡らされた習慣を変えるには多大な時間を費やさなければならないのです。「成功体験を捨てろ」 とか 「チェンジ (Change!)」 とか部外者が たやすく口にするけれど、そんなことは当事者は疾 (と) うに知っているはずですが、工夫に工夫を重ねてきた習慣 (しかも、組織の隅々まで網の目のように張り巡らされた数々の習慣) を直すのは そんなに たやすいことじゃない。

 私は数多くの大企業で事業分析・データ 設計の モデル 作成を手伝ってきましたが、事業のなかに存する (取引上の) 込み入った制約・束縛が交錯している状態を目にして愕然とします。そういう取引を構成している制約・束縛を度外視して、「概念」 だけを語って 「成功体験を捨てろ」 と言うのは たやすい。しかし、実際の行為は、現場 (where the action is) で成される。

 
 (2018年 6月15日)

 

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