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The worst wheel of a cart creaks most.

 
 自由というと、いきおい、すべててが思いどおりになる、といった空想に走りがちであるが、思いどおりとは、どういうことをいうのであろうか。 他人の視線を気にしないで、やりたいときに、やりたいことをやることをいうのであろうか。 だが、はたして、そんなことはできるのか。

 自由について語るとき、「思いどおり」という空想には注意しなければならない。 自由とは選択の権利である。 したがって、当然、拒絶は、うらはらにある。 自由とは、無意放縦ではなく、自らの抱く理想に向かう選択の権利をいう。 それは、強靭な意志である。 意志の弱いのを環境の圧力に託つけて、一足に、「思いどおり」を夢みる。 そのとき、権利を放棄したのである。

 
 (2004年11月16日)


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