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A leopard cannot change his spots.

 

 中学生の頃から----否、もっと古く、小学生の頃かもしれない----、私 には、或る固定観念がある。

 田園が広がり、遠くに、なだらかな山々が連なっている。いまだ成熟は していない緑の稲が、穏やかな陽射しのなかで そよ風に揺れている。 物音は風に運ばれるかのように静かで、辺りに漂うのは、快いけだるさである。 数人の従者をつれて朝廷が馬で遊山される。若い朝廷である。白い端正な 顔は、談笑に ほころび、慈愛に満ちている。が、時々、ふと、顔は悲哀に陰り、 山々の連なりに目を移す。朝廷が 時折 沈む悲哀は従者にも わからなかった。
 朝廷が殺害されたのは、遊山の 3日後であった。

 この固定観念が 「生々しい」 光景として私の感性を揺さぶる。
 さて、精神医学者の フロイト (Sigmund Freud) なら、どう診断するのかしら。

 
 (2006年 9月 8日)


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