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Is it that we obey the Law? No, but that we believe. (Romans 3-27)

 



 ウィトゲンシュタイン (哲学者) の両親は音楽愛好家で、ウィトゲンシュタイン 家の晩餐会では ブラームス や マーラー が演奏していたそうです。そういう環境で育った かれは音楽を身近に感じていたでしょうし、実際、かれは、口笛で交響曲を そらんじて吹いたそうですし、クラリネット を演奏できました。かれは、みずからの哲学的論考を ノート に綴っていて、多数の ノート が遺されていますが、それらの ノート のなかに、音楽家に関する コメント も綴られています。かれは、シューベルト について、以下のように記しています。

  シューベルト は無信仰で憂鬱である。

 この意見は、シューベルト の ひとつの作品ではなくて、いくつかの作品を聴いて綴られたのでしょうね。そして、シューベルト の作品のなかで、「冬の旅」 は、まさに、この意見が ぴったりとあてはまるでしょうね。私は、この憂鬱な作品が大好きです。私の性質のどこかに、憂鬱さに愛着を感じる所があるのでしょう。

 シューベルト の作品に較べて バッハ の作品のほうが 「近代的・現代的」 に感じるのは どうしてかしら。私は、バッハ の作品に 「無機質的」 な構成を感じます。そして、その点こそ 私が バッハ の作品を好きになれない点なのです。
 ウィトゲンシュタイン は、バッハ について以下のように述べています。

  バッハ の音楽は、モーツァルト や ハイドン の音楽より、言語に似ている。

 
 (2008年10月23日)


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