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  ● QUESTION   有効日とか適用日は、「event」 の日付として扱ってよいか。
  ▼ ANSWER   原則として、だめ。


 「event」 の定義規準である 「日付 (DATE)」 は、事象が起こった「過去の取引日」 のことをいう。

 したがって、「有効日」 や 「適用日」 などの予定日は、T字形 ER手法がいう 「日付」 ではない。
 それらは、名称とか数量のような テ゛ータ 項目と同じ性質として扱われる。

 以下を例にする。

 (1) 部品番号を認知番号にして、「部品」 entity がある。
 (2) 部品に対して設計変更 (いわゆる「設変 (せっぺん)」) が起こる。
 (3) 設計変更は事象として記録される--設計変更番号を認知番号にして、「設計変更」 entity がある。

 以上を前提にすれば、以下のような テ゛ータ 構造になる。

[ 具体例(1)]

 部品:  {部品番号、部品名称、適用日、...}. [ R ]

 設計変更:  {設計変更番号、部品番号 (R)、設変日}. [ E ]

 
 すなわち、「部品」 のなかの適用日は将来日として記述されていて、実際の設変が実施された日付は、「設計変更」 の 「設変日」 を使って記述される。
 上述した「適用日」 の考えかたについては、「履歴 テ゛ータ の扱い」 (193ヘ゜ーシ゛) を参照されたい。

 
 ただし、以下のような構造になれば、「適用日」 は 「日付」 となる(!)

[ 具体例(2)]

 部品:  {部品番号、部品名称、...}. [ R ]

 部品. 適用:  {部品番号 (R)、適用日}. [ VE ]

 設計変更:  {設計変更番号、部品番号 (R)、設変日}. [ E ]

 
 「部品. 適用」 のなかの適用日は実施された日付として扱われる。
 したがって、「設計変更」 のなかの設変日は適用日よりも過去の日付となる (「設変 --> 適応」 の順序になる)。

 
[ 具体例(3)]

 部品:  {部品番号、部品名称、...}. [ R ]

 部品. 部品. 再帰:  {部品番号 (R)、部品番号 (R)、適用日}. [ 再帰 ]
 --この再帰は、いわゆる「部品表」を記述する再帰ではなくて、設計変更の対象を記述する再帰である。

 設計変更:  {設計変更番号、部品番号 (R)、設変日}. [ E ]

 
 この適用日も 「event」 を生成する日付であるが、具体例 (2) の適用日と具体例 (3) の適用日では、「意味」 が微妙に違っている。具体例 (2) は、変更された部品の適用日であるが、具体例 (3) は、同じ部品の設計変更ではなくて、代替部品を使った変更である可能性が高い。




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