思想の花びら 2020年 9月15日


 ●  アラン (哲学者) のことば

  しかし、そんなものをまったく要求しないのがいちばん事が楽ではないか。要求したら、やがてそれを望むようになるものだ。なにもしないすべを知っていれば、情熱も遠くまで行かぬものだ。生き生きとした欲望だと信じているのも、単に行為が欠けていさえすれば、それは考えるだけで、たちまち消えてしまう。それにしても、最初の行為というものは、どんなにたくさんの欲望を生むだろう。かつて賛成した意見だという唯一の理由で、執拗にその意見を固持する人がよくあるものだ。

 



 ●  亀井勝一郎 (批評家) のことば

  人生は悪意にみちたものかもしれないが、どこかに善意はある。どんな人間の裡にも、一片の善意はひそんでゐるものだ。それに邂逅することは喜びであり、たとひさゝやかな喜びであつても、そのことが我々に生き甲斐を感じさせる。人生に対し、あまりに大きなことを望んではならない。自分の努力を忘れて、大きな期待だけをかける虫のよさが我々にはある。虫のよさのために欺かれ、人生に失望する人は多い。

 


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