2009年10月 1日 「実践編-4 命題論理方式」 を読む この ウィンドウ を閉じる
2018年 7月15日 補遺  


 

 本編では、TMD (TM Diagram、T字形 ER図) の作成法として、「命題論理方式」 を説明しています。

 「命題論理方式」 は、「情報仕訳法」 とも云います。というのは、ひとつの 「情報」 に対して、ひとつの 「仕訳帳」 を用意して、「情報」 のなかの語いを 「個体指定子」 と 「性質 (の述語)」 に仕訳する やりかた なので。

 仕訳の ルール は、以下のとおりです。

 (1) 「××番号」 「××コード」 の 「個体指定子」 を左側に記入する。

 (2) それ以外の 「性質 (の述語)」 を右側に記入する。

 
 なお、「区分 コード」 は、(「コード」 という名称であっても、) 「仕訳帳」 の右側に記入します。というのは、「区分 コード」 は、「個体指定子」 に基づいて構成された集合を 「切断」 する──言い換えれば、真部分集合を作る──ために使われる コード だから。

 そして、「仕訳帳」 の左側に記入された 「個体指定子」 を使って、「元帳」 を作ります──この 「元帳」 が、entity です。
 したがって、「仕訳帳」 の左側に記入された 「個体指定子」 の数と同じ数の 「元帳」 が作成されます。

 「元帳」 を作ったら、「仕訳帳」 の右側に記入された 「性質」 を しかるべき 「元帳」 に転記します。

 以上の手続きは、簿記の 「仕訳帳」 「元帳」 の mechanism を流用しているので、「情報仕訳法」 と呼んでいる次第です。
 この やりかた は、実は、コッド 関係 モデル の 「直積」 と同じ やりかた です。「直積」 の一般式は、以下のとおり。

   R = { s1 ∈ X1, s2 ∈ X2・・・, sn ∈ Xn }.

 
 すなわち、X1, X2, ・・・, Xn の それぞれ集合から ひとつずつ メンバー を選んできて、n-項関係を作って、n-項関係が以下の条件を満たしていれば 「真」 である──言い換えれば、「直積」 のなかで、ソリューション である──、ということ。

 (1) 構文論的に、個体指定子に対して、「性質」 が関数従属性を実現していること。
   (「個体指定子」 に対して、「性質」 が 「1-対-1」 の関係にあること。)

 (2) 意味論的に、n-項関係が、現実的事態と一致して 「F-真」 を実現していること。

 
 「情報仕訳法」 は、コッド 正規形の 「第一正規形」 「第二正規形」 を 「仕訳帳」 で構成しただけです。ただし、「第二正規形」 (および、「第三正規形」) は、正確には、「アトリビュート・リスト」 を作成する段階で整えられます。 □

 



[ 補遺 ] (2018年 7月15日)

 本文で述べている技術 (entity を構成する 「命題論理方式」) は、TM でも変わっていませんが、TM では 「性質 (アトリビュート)」 を 「条件」 と言うことが多い──勿論、「性質」 でもよいのですが、数学に違い用語法を用いて 「条件」 と言うことが多い。

 時には、TM では、「個体指定子 (entity-setter)」 を 「主題」 と言うこともあります。つまり、「何についての (主題)」 条件 (条件群) なのかを示している、と。直積集合の形式で記述すれば、{ 主題、条件1、・・・、条件n
 「主題-条件」 という用語法は、次の考えかたを前提にしています。

   (1) 限られた範囲 (domain) のなかで使われているすべての記号 (共有語)[ 「情報」 のなかで
     使われている記号列 ] を解釈すれば、「意味」 がわかる。

   (2) 「意味」 を把握するためには、「主題」 を並べて [ 構造を与えて ]、事業のなかで どのように
     「意味」 が伝えられているかを調べる。

   (3) 数学では、モノ が一意にあるかどうかはさておいて、モノ を一意にする アルゴリズム (ここ
     では条件群) があるという考えかたをする。







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