「TMの会」 プログラム このウインドウを閉じる
/ 2009年 6月30日 / 

 

 「モデ 家」 の アトリビュート・リスト (「契約」 に関する アトリビュート) を検討しました。

 
 ● TMD の読みかた

  TMD を読むときには、「event (case、事態・出来事・行為)」 を起点にすること。
  というのは、「event」 は、「T-文 (規約 T、真理条件)」 で験証できるので。

  そして、「event」 では、以下の点に注意して制約・束縛を調べること。

  1. 「日付」 では、全順序 (線形順序) を確認する。

    すなわち、R (a, b) において── R (日付1, 日付2)において──、
    関係 R 「< (小さい)、= (等しい)、> (大きい)」 を確認する。

  2. 「数量」 では、その 「F-真」 を験証するための手続きを確認する。

   2-(1) 数量どうしの関係を調べる。

    すなわち、R (a, b) において── R (数量1, 数量2)において──、
    関係 R 「< (小さい)、= (等しい)、> (大きい)」 を確認する。
    そして、「内部牽制」上、R (a, b) として、どの数量と どの数量が一致していれば、
    無矛盾なのかを調べること。

   2-(2) 実査手続きを調べる。

    すなわち、R (a, b) において── R (記録数量, 実査数量)において──、
    記録された数量が正しい (F-真) ということを どのようにして証明できるのか、
    実査手続きを確認すること。

  いつも謂うように、TMD を読むときには、つねに以下の点を外さないようにしてください。

    箱 (entity) ではなくて、線 (関係) を観ること (!)

 → 板書写真 (1)

 
 ● 印税前払請求・入金 [ VE ]

  「日付」 では、以下の制約・束縛が存在しています。

    R ( 契約年月日, ( 発送日, 入金日 )).

  「数量」 では、以下の 「F-真」 が検討されなければならない。

    R ( 今回請求額, 実際入金額 ).

  入金日・実際入金額の 「F-真」 は、銀行口座の記録で験証できるとのこと。
  ここで、当然ながら、「銀行」 を複数・多数──邦銀と外銀の併用など──使っているかどうかを確認しなければならない [ そして、外国の銀行を使っていれば、通貨・換算 レート も確認しなければならない ]。かつ、「請求」 が分割されている場合には、それぞれの請求ごとに銀行を変えてもいいのかどうかも確認されなければならない。

  1. 邦銀を使う場合で、

   1-(1) 経理が請求を行うのは、

       「複版・日本制作区分」 が 「日本制作」 であり、かつ、

        取引先が、日本にある (日本に支店等を持っている) 場合。

   1-(2) 現場が、請求を行うのは、

       1-(1) 以外の場合。

 
  2. 邦銀を使うのは、以下の場合のとき、

   2-(1) 経理が、請求を行った場合。

   2-(2) 邦銀の海外支店を使う場合。

 
  3. 「取引先」 が日本にあるか否かは、

    対照表 { 取引先コード (R)、国コード (R)、適用日 } で記述されている。

 
  ただし、「適用日」 は、適用された日のみを示していて──言い換えれば、起点 (最小値) のみを示していて──、「区域 (適用期間)」 を示していない点に注意すること。「適用期間」 を記述する際、以下の 3つの記述法が考えられる。

  (1) 開始日 (from) のみを記述する。

  (2) 終了日 (to) のみを記述する。

  (3) 開始日・終了日 (from-to) を記述する。

 事態が 「連続」 している場合には、「切断」 として (1) (2) を使い、「断絶 (空白)」 が起こる場合には (3) を使うことが多い。ちなみに、「履歴」 を記録するときに、この点は重大な争点になります [ 今回は、「履歴」 の採取法について割愛します ]。

 
 ● 契約書作成手続き [ VE ]

  「契約書作成手続き」 は、「契約」 の VE として構成されています。
  したがって、「文法」 上、以下の制約・束縛が構成されることになります。

    R ( 契約年月日, 契約書作成日 ).

  しかし、意味論上 (「F-真」 としては)、以下が正しい。

    R ( 契約書作成日, 契約年月日 ).

  「契約書作成手続き」 の VE 群では、「契約」 に至るまでの一連の プロセス が記述されています。しかし、これらの プロセス が、既存の 「契約」 から構成されるのは妥当ではないでしょうね。したがって、以下の いずれかの対応を考えなければならないでしょう。

  (1) 契約の準備──あるいは、契約獲得の行為──を開始した時点で、
    「契約番号」 を付値する。

  (2) 「契約番号」 とは べつに、
    「契約書作成手続き」 を管理するための個体指定子を導入する。

 (1) は、「正式の」 契約書を交わしていない段階で、「契約番号」 を付値するのは妥当ではないでしょうね。したがって、(2) で対応するのが妥当だと思われるのですが、「外国版」 の契約は収益のなかで占める割合が小さいので、果たして、(2) を導入するのが effective かどうは争点になるでしょうね。ただし、もし、事業戦略が変わって、グローバル 対応を考慮するということになれば、(2) を導入するのがいいでしょう。

 → 板書写真 (2)

 

 

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