2004年 3月 1日 作成 製品 (product) >> 目次 (作成日順)
2008年 6月 1日 補遺  

 

 
1. 製品 ミックス として、以下の 3 点が考慮される。

 (1) 製品の概念 (本質的機能、付随的機能、製品の印象)
 (2) 製品の ライフサイクル (生成期、成長期、成熟期、衰退期)
 (3) 製品の差別化

 
2. コトラー (Kotler, P.) によれば、「製品とは、それを使えば得られる効用のこと」 である。
  製品の概念は、以下の 3 つから構成される。

 (1) 本質的機能 (物的機能)
 (2) 付随 サービス (保証、支払条件、メンテナンス、オプション、配送など)
 (3) 製品 イメージ (ブランド、デザイン、パッケージ など)

 
3. 製品 (消費財) は、消費者の購買慣習を基準にすれば、以下の 3 つに類別できる。

 (1) 最寄品 (低関与、低判断力) [ ストア・カバレッジ が考慮点になる ]
 (2) 買回品 (中関与、中判断力) [ 同質品は価格訴求、異質品は差別化が考慮点になる ]
 (3) 専門品 (高関与、高判断力) [ ブランド・ロイヤリティ を示すことが多い ]

 
4. 製品の差別化 (product differentiation) は、

  製品が ライフサイクル の成熟期にあれば、製品の本質的機能では違いがなくなるので、
  本質的機能以外の独自性・特異性を使って、消費者の選好を誘導することである。





[ 補遺 ] (2008年 6月 1日)

 本 エッセー では、「製品」 そのもの-の性質をまとめています。そして、「製品多角化」 を、ほとんど、考慮していないのですが、実地の事業活動では、当然ながら、「製品多角化」 が常態ですし、そのために 「製品計画」 が実施されています。私 (佐藤正美) は、システム・エンジニア なので、製品計画や製品の研究開発に、直接、関与していないのですが、それら (製品計画、製品の研究開発) を支援する システム 設計に──勿論、分析もふくみますが──、幾度も、携わってきました。

 「製品計画」 というのは、どのような製品を、どのような組み合わせ (ミックス) で、マーケット に投入するかを 「統合的に」 立案することを云います。ここで、「製品」 というのは、物理的な物 (物的機能) だけではなくて、本 エッセー で まとめたように、イメージ (訴求力) もふくんだ包括的概念です。したがって、「製品計画」 は、企業が マーケット のなかで優位性を追求するための戦略の ひとつであると云って良いでしょう。そのために、「製品計画」 では、以下の点が検討されます。

  (1) 製品 ライン の構成 (現存の構成) に関する利益率 (資本・売上高・収益)
  (2) 既存製品の改良 (あるいは、廃止) や新製品の導入

 とくに、新製品を導入して事業分野を拡大することを 「製品多角化」 といい、「製品多角化」 は 「製品計画」 のなかでも重視されています。「製品多角化」 には、以下の ふたつの やりかた があります。

  (1) 垂直的多角化
  (2) 水平的多角化

 垂直的多角化というのは、現存の製品 ライン を、購買過程・生産過程・販売過程のほうに、事業の範囲を拡張することを云います──たとえば、或る製品 ライン に使われている購買品 (原材料など) を みずから内作 (生産) するとか、あるいは、最終生産品を流通するための販社を設立するとか。もし、企業戦略が 「組織・製品・市場」 のあいだに適切な構成を与えることだとすれば、垂直的多角化は、現代では、もう、「自前主義」 ではなくて、ネットワーク 組織を活用した SCM という アライアンス 形態になるでしょうね。

 水平的多角化は、製品 ライン (製品の種類) を拡大することを云います。本来の多角化は、水平的多角化のことを云います。当然ながら、水平的多角化では、シナジー 効果がでるように進められるのが望ましいでしょうね。水平的多角化では、製品 ライン は、本 エッセー のなかでまとめたように、ライフサイクル を考慮して、つねに、成長性 (マーケット・シェア [ 市場占有率 ]) と 収益性が、ライン 内の全体構成として 「統合的に」 バランス がとれるように進められるでしょう──たとえば、成熟期にある製品 (マーケット・シェア が大きく、収益性の高い製品) が、衰退期に入る前に、マーケット に新たに投入された製品が収益性が小さくても成長性の高い状態 [ 生成期 (あるいは、成長期)] に至るように事業活動を進めるでしょう。水平的多角化 のなかで、製品 ライン の資源配分をおこなうことを 「製品 ポートフォリオ・マネジメント」 と云います。

 私の会社 (株式会社 SDI ) は、ニッチャー として、データベース 設計に集中していますが、いっぽうで、「製品」 多角化として──私の場合は、「製品」 といっても 「サービス (コンサルテーション)」 のことなのですが──、垂直的多角化では、「データベース の internals ← データベース 設計 (design) → 事業過程・管理過程の analysis」 というふうに事業領域を拡大して、水平的多角化では、データベース 技術のほかに、その技術を運用する ちから (design 力、analysis 力) を高めるために──シナジー を狙って──財務管理・生産管理などの知識 (Frame of Reference) に関する研修も おこなっています。なお、垂直的多角化 では、さらに、「実装」 工程に対して、プログラム 作成を専門にしている ITS 社とのあいだで SCM 的な アライアンス を組んでいます。そして、私が 「製品」 ミックス として最終目的にしてきたのが、データベース 設計の モデル は、高関与・高判断力がいるので、TM (T字形 ER手法) という ブランド (あるいは、ブランド を使った product differentiation) の確立でした。





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