いのち が あやつられるとき >> 目次 (テーマ ごと)


[ 読みかた ] (2009年 3月16日)

 近年、「脳科学」 は目覚ましく進展してきて、ここに記載した 「脳 (および遺伝子) の作用」 に関する書物は古くなった感は否めないでしょうね。「脳 (および遺伝子) の作用」 に関しては、最新の研究をふまえた書物を もっと読まなければならないでしょうね。

 ただ、本 ページ に記載した書物は、「脳 (および遺伝子)」 の観点から 「命 (いのち)」 を考えているのではなくて、「命」 を考えるうえで、「脳 (および遺伝子)」 も重大な テーマ なので取り込んでいるという次第です。

 社会性動物の行為のなかに観られる 「利他行動」 は、ダーウィン を悩ませた難問だったそうです──たとえば、蜂には、「働き蜂」 という語があるように、みずからは子どもを生まないで 「女王蜂」 が生んだ子どもたちを養育する現象とか [ 蟻にも同じ現象が観られます ]、ライオン の雌は、他の雌の子どもに授乳するという現象は、みずからの生存にとって積極的な利点にならないにもかかわらず、利他的行動形質が自然選択によって取り除かれなかったのは どうしてなのか、という点は 「進化と選択」 の論において難問だそうです。(以上の論点・例は、論文集 「科学哲学」 (日本科学哲学会) 41-1 に収められている 田中泉吏 氏の論文 「利他行動の進化と選択による説明」 から引用しました。)この論点は、いわゆる 「選択の単位/レベル」 の争点です。そして、人間の場合には、(「利他行動」 という観点を度外視して、「優性・劣性」 形質の観点からも、) この 「選択/レベル」 が、近年の科学では、「人為的に」 「遺伝子 レベル」 で おこなうことができる、という点が私の注意を惹く点です。その点を個体の 「命」 の観点から考えてみたいというのが私の意図です。







 ● 脳の話、時実利彦、岩波新書 G125

 ● 学校で教えない教科書 脳のしくみと不思議、鈴木智子、日本文芸社

 ● 人間であること、時実利彦、岩波新書 G124

 ● からだの知恵 (この不思議な はたらき)、W・B・キャノン 著、舘 鄰・舘 澄江 訳、講談社学術文庫 320

 ● 文明の逆説 (危機の時代の人間研究)、立花 隆、講談社学術文庫 P480

 ● 利己的な遺伝子、リチャード・ドーキンス 著、日高敏隆 他訳、紀伊國屋書店 G124

 ● 遺伝工学の時代 (誰が神に代わりうるか)
   T・ハワード&J・リフキン 共著、磯野直秀 訳、岩波現代選書 504

 ● いのち を 考える (バイオエシックス のすすめ)、木村利久、日本評論社

 ● 優生学の名のもとに (「人類改良」 の悪夢の百年)、ダニエル・J・ケヴルズ 著、西俣総平 訳、朝日新聞社

 ● いのち が あやつられるとき、毎日新聞社会部医療取材班

 ● 人間が死ぬとき (臨床例の統計的分析)
   カーリス・オミス&アーレンダ・ハラルドソン 共著、笠原敏雄 訳、たま出版




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