近代・現代の日本文学 >> 目次 (テーマ ごと)


 小生 (佐藤正美) は、若い頃、「文学青年」 として、そうとう多数の文学書を読んでいた。独身時代、或る家の 2階 (10畳と 8畳) を間借りしていたが、2つの部屋は、ほとんど すべて、書物が山積みになっていた。34歳のとき、結婚して、引っ越しすることになって、(新婚の住まいは、マンション を賃貸したが、狭かったので、) 荷物を整理して、2台の トラック (2トン 積載と 4トン積載) を手配した。2トン の トラック には、新しい住まいのほうに運ぶ家具を積み、4トン の トラック には、捨てる物を積んだ── 4トン の トラック に積まれた物は、ほとんど すべて、書物だった。引っ越したとき、ほとんど すべての書物を捨てた。蔵書の ほとんど すべて を捨てることは、そうとうに悲しさ・悔しさを感じたが、4トン の トラック を見送ったとき、不思議なことに、「晴れ晴れした」 気持ちになった。

 当時 (学生時代に)、読んだ書物のほとんどは、文学 (日本文学と、世界文学の翻訳) および哲学でした──世界文学は、ロシア 文学・ドイツ 文学・フランス 文学と東欧文学が多かった。哲学は、(ウィトゲンシュタイン の書物を読んでいましたが、「論考」 のみであって、) カント 哲学の書物が多かった。

 そのとき、捨てないで遺しておいた書物や、(捨ててしまったが、後悔して、) 再度、買い直した書物が、いま、書斎のほうに置いてあります。それらの書物のなかから、近代・現代の文学作品を記載します。
 なお、亀井勝一郎・有島武郎と八木重吉に関して、「全集」 を記載しましたが、(「全集」のほかにも、) それぞれ、単独に出版された書物を、多数、所蔵しています。ただ、「全集」 のなかに、それらの作品がふくまれているので、「全集」 のみを記載しました。



[ 読みかた ] (2009年 5月16日)

 この ページ に記載した川端康成・三島由紀夫の作品は、埼玉県の拙宅に置いてある作品のみであって、富山県の実家に置いてある (かれらの) 作品 [ たとえば、「豊饒の海」 など ] はふくまれていない──実家に所蔵している書物 [ ミカン箱大の段 ボール 箱で 15箱くらいの量 ] の リスト を作っていないので、この ページ に入れることができなかった次第です。そして、遺憾なことに、実家に置いてあった書物の すべて を 2008年11月に 或るできごとがあって喪ってしまいました。それらの書物のなかには、今となっては入手しにくい書物もあったので、悔やまれますし、たとえ、それらの書物を再び買い揃えるとしても、今の私には それほどの金銭的ゆとり がない [ 私が困窮しているからといって、それらの書物をうっぱらった訳ではないので、念のため (笑)]。

 本 ホームページ 「反 コンピュータ 的断章」 「反文芸的断章」 で たびたび引用している 「三島由紀夫文学論集」 は、2008年 9月に亡き父の七回忌で帰省したときに、実家で たまたま再読して、埼玉の拙宅にもどるときに持ってきていたので、滅失を免れた次第です。「豊饒の海」 も拙宅のほうに送ろうかどうか迷っていたのですが、送らないことにして実家に置いたままにしたのですが、今になって思えば、送ったほうが良かった。

 この ページ に記載した 「近代・現代の日本文学」 作品 リスト を観れば、本 ホームページ の 「反 コンピュータ 的断章」 「反文芸的断章」 のなかで たびたび 引用されている作家 (小説家・評論家・詩人)──私の好きな作家──が、有島武郎・川端康成・三島由紀夫・亀井勝一郎・小林秀雄・八木重吉である理由が一目で明らかですね。有島武郎・亀井勝一郎・八木重吉については 「全集」 を所蔵していますが、ほかの作家については、「選集」 しか持っていない。川端康成・三島由紀夫・小林秀雄の作品全集を買いたいのですが、今の私は窮乏な状態なので、まとまった収入があるまで我慢するしかない。

 かれらの作品を読んで感じるのは、かれらが並外れた思考力・表現力を持っているということです。たとえば、「三島由紀夫文学論集」 に収められている作品のほとんどは、かれが 30歳代のときに記 (しる) した文ですし、亀井勝一郎氏の 「思想の花びら」 は、かれが 30歳代・40歳代のときに綴った断想です。かれらが 30歳代のときに、あれほどの珠玉の文を認 (したた) めることができたというのは賛嘆するしかない──尤も、そうだからこそ、かれらは作家でいられたのでしょうね。

 文学に関しては、いままで読んでいた作家の作品を いくども読み返して──ただし、同じ作品を読み返すには、数年の間隔が生じますが──、新たな作家が 「お気に入り」 に入ることは めったにないようです [ 少なくとも、私の場合には ]。私の好きな作家たちは、私の思考を促す catalyst であって──あるいは、かれらの作品は seminal な性質をもっていて──、かれらの視点・表現・思想を私は そのまま崇信している訳ではなくて、あくまで、私が考える際の相談相手です。本 ホームページ 「反文芸的断章」 「反 コンピュータ 的断章」 で綴った エッセー の多くは、かれらの作品を読んで生まれた断章です。近代・現代の作家は、私にとって対話相手です。





 ▼ [ 小説、文芸評論 ]

 ● 亀井勝一郎 全集 (全 24巻)、講談社

 ● 有島武郎 全集 (全 12巻) [ 非賣品 ]、叢文閣

 ● 梶井基次郎 全集 (全 3巻)、筑摩書房

 ● 川端康成 短編全集 (全 1巻)、講談社版

 ● 眠れる美女 [ 自筆原稿の印影 ]、川端康成、ほるぷ出版

 ● 川端康成 集 (現代日本文学館 24)、文藝春秋社

 ● 川端康成 集 (日本の文学 38)、中央公論社

 ● 三島由紀夫 集 (現代日本文学館 42)、文藝春秋社

 ● 三島由紀夫 集 (日本の文学 69)、中央公論社

 ● 三島由紀夫 文学論集、虫明亜呂無 編集、講談社

 ● 文章讀本、三島由紀夫、中央公論社

 ● 三島由紀夫戯曲全集、新潮社版

 ● 川端康成 三島由紀夫 往復書簡、新潮社

 ● The Samurai Ethic and Modern Japan (Yukio Mishima on Hagakure)
  translated from the Japanese by Kathryn Sparling、TUTTLE

 ● 文芸読本 川端康成、三島由紀夫 編、河出書房新社

 ● 小林秀雄 集 (現代日本文學大系 60)、筑摩書房

 ● ランボオ 詩集、小林秀雄 訳、東京創元社

 ● 本居宣長、小林秀雄、新潮社

 ● 本居宣長 補記、小林秀雄、新潮社

 ● 小林秀雄 対話集、講談社

 ● 対話 人間の建設、小林秀雄・岡潔、新潮社

 ● 古典と伝統について (思想との対話 6)、小林秀雄、講談社

 ● 小林秀雄 初期文芸論集 (岩波 クラシックス 32)、岩波書店

 ● 夏目漱石 集 (新潮日本文学 3)、新潮社

 ● 芥川龍之介 集 (現代日本文學大系 43)、筑摩書房

 ● 侏儒の言葉 (復刻本)、芥川龍之介、文藝春秋社版

 ● 武者小路実篤 集 (日本文学全集 15)、河出書房

 ● 文章讀本、谷崎潤一郎、中央公論社版

 ● ことばの織物 (短編小説珠玉選)、阿毛久芳 他編集、蒼丘書林

 


 ▼ [ 詩集、短歌 ]

 ● 八木重吉 全集 (全 3巻)、筑摩書房

 ● 自註 鹿鳴集、會津八一、中央公論美術出版

 ● 伊東静雄 詩集 (日本詩人選 18)、小沢書店

 ● 集成 昭和の詩、大岡 信 編、小学館

 


 ▼ [ 随筆、日記、手紙 ]

 ● 詩と反逆と死、大宅 歩、文藝春秋社

 ● 吉田健一 随筆集、[ 奥付が切り取られていて、出版社がわからない。]

 ● ヨオロッパ の世紀末、吉田健一、筑摩叢書 310

 ● 旅からの手紙、佐佐木幸綱 編、光文社 [ 作家の手紙からの抜粋集 ]

 ● 皮肉文集、東京堂編輯部 編、改潮社

 ● 随筆名言集、作品社編輯文 編、作品社

 ● 文學者となる法、内田魯庵、図書新聞

 ● 日本語の年輪、大野 晋、有紀書房

 


 ▼ [ 辞典、事典 ]

 ● 日本人 「死」 人名事典 (作家篇)、古井風烈子 編、新人物往来社

 ● 近代作家書簡文鑑賞辞典、村松定孝 編、東京堂出版

 




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