2001年 9月15日 作成 生涯計画表の作りかた >> 目次 (テーマ ごと)
2006年11月16日 補遺  



 TH さん、きょうは、生涯計画表の作りかたについて お話しましょう。

 計画表を作成しようとすれば 、いきおい、仕事や勉強に関する計画表を作りたがるのですが、(仕事や勉強は人生のなかで大きな比率を占めるけれど) それだけが人生ではない、ということを考慮すべきでしょう。僕自身を例にすれば、或る経営組織体に属している 職業人であるし、家庭を営んでいるし (夫であり、父親であるし)、地域に住んでいる社会人でもある、という役割にある。とすれば、生涯計画表は、それらを加味した計画表でなければならない。
 したがって、生涯計画表のなかには、以下の諸点を加味したほうがいいでしょう。

 (1) 仕事
 (2) 家庭
 (3) 趣味
 (4) 貯蓄

 以下に、僕が実際に使っている生涯計画表を記載しておきますから--計画表の中身は個人的なことに言及してしまうので、公開を止めましたが--、参考にしてみてください。僕は (今、48歳ですが) 35歳から生涯計画表を作成しています。



生涯計画
西暦 年齢 仕事 家庭 趣味 貯蓄
198936    
199037    
(以下、省略)


 たとえば、「仕事」 には、以下のようなことを記述すればよいでしょう。
 (1) 転勤・転職・独立・退職など。
 (2) 資格取得や研究目標(取得したい技能や、研究領域) など。

 たとえば、「家庭」 には、以下のことを記述すればよいでしょう。
 (1) 住宅の購入・改修など。
 (2) 家族の成長 (こども達の進学・卒業・受験) など。

 たとえば、「趣味」 には、以下のことを記述すればよいでしょう。
 (1) 取得したい技能や研究目標など。
 (2) 購入したい (趣味の) 機材など。

 以上にように、「仕事」 と 「家庭」 と 「趣味」 の計画が記述されたら、それらの計画を実現するための資金として、いつ頃に、いくら費やすかとか、いくら貯蓄しなければならないとか、という点が推測できるでしょうから、「貯蓄」 の欄には、貯金高や投資費用を記述すればよいでしょう。ちなみに、専門家 (ファイナンシャル・プラナー) の意見によれば、退職後には、(退職金をふくめて) 40,000,000円ほどの貯蓄がなければ、「安心した老後」 を迎えることができない、とのことです。したがって、60歳 (あるいは、65歳) の 「貯蓄」 欄には、(目標として) 「40,000,000円」 が記述されていなければならないでしょうね。

 僕自身の経験を言えば、僕は 40歳で独立する計画をしていたのですが、3年ほど早く独立することになったし--独立するときに、貯蓄を資本金に投入して、しかも、独立して直後に、こどもが生まれ、マンション を購入したので、その時点で、貯蓄は ゼロ になってしまい (笑)、ふたたび、貯蓄をはじめることになったのですが--、こどもは二人にしようと計画していたのですが、三人になったし、計画を作成しながら、はっきりとした目標を自らに与えて、余裕をもって、ものごとをやっていても、同時に、多くの偶然に遭遇することになる。したがって、偶然を加味しながら、生涯計画表を、「年のはじめ」 に修正すればよい。生涯計画を作成するということは、到着する地点を確信しているけれども、人生には 「完全な順序」 などというものはない、ということを考慮して、「完全な計画」 を立てることを狙うのではなくて、「軸」 をきめることが大切である、と思っていてください。計画そのものに注意力を集中してはならない。計画は推敲を積めばよいのである。

 次回は、「年間計画表の作りかた」 について説明します。□

 



[ 補遺 ] (2006年11月16日)

 本文のなかに記載した生涯計画表を観てわかるように、計画表そのものは、非常に単純な形式です。前回述べましたように、計画表は、「実践のための下書き」 ですから、私は、計画表が 「管理のための管理」 にならないように配慮しています。この計画表の特徴は、ひとりの社会人として関与している営み (仕事、家庭、趣味、貯蓄) を 1つのマスター・プラン として まとめているという点でしょうね。単純に言い切ってしまえば、人生のなかで起こる重立った できごと を時系列に並べて、その できごと に関する キャッシュフロー を計画しているというだけのことです。

 たったそれだけの計画表ですが、その 「ききめ」 は大きい--私の人生設計では、非常に役立ちました。私は、37歳のときに独立開業したので--いま、私は 53歳ですが--、仕事を (さらに、仕事のための学習なども) みずから 計画しなければならなかったし、収入は確約されていないし、つねに、キャッシュフロー を管理していなければならない生活を送ってきました。みずからの人生を漂流させないために、こういう計画表を作らなければならなかったというのが私の人生の径路でした。私は、みずからが選んだ職業のなかで、こういう計画表を作らざるを得なかったので作ったのですが、私のような人生を歩んでいないひとにも、人生設計法として、この計画表は役立つのではないでしょうか。そう思って、この エッセー を綴った次第です。




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  佐藤正美の問わず語り