2003年 3月 1日 作成 デジタル・ボイス・レコーダー (メモ 帳) >> 目次 (テーマ ごと)
2008年 3月16日 補遺  


 
 TH さん、きょうは、デジタル・ボイス・レコーダー について お話しましょう。

 私は デジタル・ボイス・レコーダー を、3台、使っています。

 (1) SONY IC RECORDER(ICD-R100) [ 外形寸法 4 × 10 × 1 (cm)]
 (2) VOICE BANK DDR-1016 [ 外形寸法 3 × 10 × 1 (cm)]
 (3) POCKET PHOTO ADVANCE [ 外形寸法 5 × 12 × 2 (cm)]

 電源は、いずれも、単 4 形乾電池です。

 デジタル・ボイス・レコーダー は 「メモ 帳」として使っています。
 普段使っている レコーダー は (1) と (3) です。(1) と (3) は、つねに、携帯しています。

 (1) の最大録音時間は、SP 状態では 64分であり、LP 状態では 150分です。
 2つの ファイル (A と B) が用意されていて、それぞれ、件数では 99件まで録音可能です。
 1つの ファイル を私用に使い、もう 1つの ファイル を仕事用に使っています。

 デジタル・ボイス・レコーダー では、新しく用件を録音すると、自動的に メモリー のなかに ADD-ON (追加記録) されるので、ほかの用件の上から録音してしまう失敗がない。そして、デジタル 録音ですから、インデックス 機能を使えば、ランダム・アクセス できるので、アナログ 録音形式の テープレコーダー と比べて、(シーケンシャル・アクセス の) 早送りや巻き戻しがない。

 (1) を使う目的として、当初、「計画表 (1日の TO-DO)」 を録音して、実現したら消去するということをやっていたのですが、かえって、事をややこしくしてしまったので、「計画表 (1日の TO-DO)」 として使うことを止めました。
 「計画 (TO-DO)」 というのは、それに関与する他の事態が変化すれば、計画の優先度を早めたり猶予したりしなければならないので、どうしても、ほかの計画との兼ね合いを 「一目で見て取る (give visibility)」 という一覧性がなければならないようです。
 したがって、計画の管理は、一覧表示できる形式──たとえば、手帳のような紙形式や パソコン の スケジュール 管理 ソフト など──のほうがよい。

 そのために、(1)は、急に思い浮かんだ着想を メモ するために使うようにしました。
 ペン はしゃべる言葉の速度に追いつけない。思い浮かんだ着想を書き止めようとして筆記していたら、着想のほうが萎んでしまうので、着想が浮かぶままに録音するようにしました。この使いかたは良かった。
 録音するときには、最初に 「日時」 も記録したほうがいい。

 着想 (ひらめき) は、いわば 「なぐり書き」 であって、記録しなかったら、一時的な閃光として直ぐに消え去ってしまう。のちほど、脳裏をかすめた着想 (ひらめき) を想い出そうとしても、思い出せないので歯痒い思いをした人々は多いのではないでしょうか。
 着想 (ひらめき) は、誕生したとき、未熟な状態であり、1つの整った概念として認められる状態ではないから、それを改めて見直したら、恥ずかしさや嫌悪を感じることもあるけれど、徒労に終りそうな多くの着想のなかから 1つでもいいから芽を出す種があってほしいと思う。
 録音した着想は、再生時に直ぐさま善し悪しを判断して削除しないで、(醸成の可能性を期待して) しばらく、保存しておけば良い (──文字として転記しておいても良い)。

 (1) には インデックス 機能が搭載されていて、長時間の録音を分割することができる。
 長時間の録音を再び聴くときに、つねに最初から聞かなければならないということはない。

 (2) の最大録音時間は、SP 状態では 258分であり、LP 状態では 562分です (── 9時間以上も録音できる!)。
 したがって、長時間の録音ができる。となれば、講演や セミナー などを録音するために使えば良いと思うのですが、私は、そういうふうには使っていない。取材などのように、録音された中味を起稿するときには──正確に引用しなければならないなら──、そういう使いかたをしますが、講演とか セミナー を聴くというのは、教科書を読めば直ぐに見出すことができる知識以外を聞き取るべきであって、しかも、講演や セミナー では (話言葉ですから、書物ほど厳密な言葉を使っていないので) しゃべられる中味そのものではなくて、概念が述べられる順序を把握するようにすればよいのであって、すべてを録音するような対象ではない。

 講演を録音(あるいは、録画)して、のちほど、講演の感動を再び味わおうとしても、録音(あるいは、録画)された記録は色褪せている。二度と再現できない(一過性の)感動は、自らの頭脳のなかに記録しておけばよい。

 長時間録音用の デジタル・ボイス・レコーダー は、英語の リスニング 能力を訓練するために使えばいいでしょう。
 たとえば、私は、「ディスカバリー・チャンネル (Discovery Channel)」 の番組 (ケーブル・テレビ) を録音したり、映画を録音したりして、のちほど、繰り返し聞いています。聞き返しながら、英語の表現を集めています。

 (2) には、1つの用件を分割する機能はないのですが、再生時に早送りと巻き戻しができます。

 (3) は、デジタル・カメラビデオ・カメラボイス・レコーダー という 3つの機能が搭載されています。
 デジタル・カメラ は 130万画素 CMOS、動画は 「320 × 240」 (録画形式は motion j-peg)、音声録音は、SP 状態では 2時間 (LP 状態では 4時間) ですが、スマートメディア を記録媒体として使うことができるので、記録 (録画、録音) は、ほぼ無制限にできると思っていいでしょう (──私は、常時、128M の スマートメディア を使っています)。
 フラッシュ 機能が搭載されていないので、屋内で撮影すると、やや暗い画像になるのですが、この大きさ (非常に小型である) のなかに、デジタル・カメラ と ビデオ・カメラ と ボイス・レコーダー を搭載してあるのだから、贔屓目に観て、良しとしなければならないでしょうね。メモ 用の記録媒体としては最高の機器です。  

 



[ 読みかた ] (2008年 3月16日)

 本 エッセー を綴った時期は、5年前です。この 5年のあいだに、携帯電話が PDA 化してきて機能を拡張して、デジタル・カメラ や ビデオ・カメラ や 録音などの機能が、高品質で搭載されてきました。携帯電話が生活のなかで常備品になってきて、私は、いまでは、本 エッセー で語った ボイス・レコーダー を、ほとんど使わないで、携帯電話を デジタル・カメラ や 「簡易」 ビデオ・カメラ や音声 メモ 機として使っています。勿論、録音時間の長い記録は、私の携帯電話では対応できないので、ボイス・レコーダー を使います。そのために、ボイス・レコーダー (VOICE BANK DDR-1016) を鞄のなかに携帯していますが、ほとんど、使うことがない状態です。そして、ずいぶんと活躍してくれた POCKET PHOTO ADVANCE は──当時、値段が 5万円弱もした高級小型 AV 機でしたが──、いまでは、使われることもなく、埃を被っています。




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  佐藤正美の問わず語り