2004年 1月 1日 ゆく年、くる年 >> 目次 (テーマごと)


 
 ギットン (哲学者) の言葉:

     最良の時間とは いま 自分がいる時であり、最良の環境とは いま 自分が置かれている環境であり、
    最良の思想とは いま 自分をおとずれている思想であるといえよう。
     だから、いたずらに最良のものを求めることはない。それよりも 君が、現にしっかり手にしている
    もの、君が現に行っていることに、精神を集注することによって、それこそ最良のものであるという
    尊厳を与えたまえ。
     いま この瞬間になしうることを明日にのばしてはいけない。しかし、それと同時に、現在という
    せまいワクの限られた能力におさめることのできない無数のものは、遠慮なく明日に のばしたまえ。
    要するに、「過ぎ行きつつある現在という時間の尖端には ごく小さいことだけを当て、きみの望みは
    無限の中に放ってやりたまえ」ということになる。
     いたるところで、君に限界があることを認めたまえ。限界があればこそ形が与えられるのであり、
    そして形は完全さのために必要な条件なのだ。

                 (「読書・思索・文章」、J. ギットン 著、安井源治 訳、中央出版社、258ページ。)

 
 若い世代の人たちのなかで--あるいは、年配の人たちのなかで--、感性のつよい人たちは、人生を旅に喩えるかもしれない。そういう考えかたは、人生の「機微」を知るためには大切なことなのですが、もっと、大切なことは、自らの生活をコントロールして、学習を自己建設に役立つようにすることではないでしょうか。

 若い世代の人たちに対して、これから述べる助言は、いつも、勘違され理解されない助言なのですが、(小生が自らの過去を振り返って反省した点として)人生を空転しないようにするための1つの知恵だと思っています。
 システム構築では、「divide and conquer (分割統治)」という考えかたを前提にして、巨大な1つのシステムを、いくつかのコンポーネントから構成されるように設計します。同じような考えかたを日々の生活に適用すれば、具体的な手順を、1つ1つ踏んでいき、「人生」という曖昧な大きな対象を、具体的に「生活」していけるでしょう。
 人生という途方もない対象を考えてはいけない。日々の生活をすればいい。

 さて、新しい年を迎えました。生涯計画を見直して、年間計画を作成しましたか。

 



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  佐藤正美の問わず語り