2002年11月 1日 作成 情報整理術 (封筒を使った情報整理) >> 目次 (作成日順)
2007年12月 1日 補遺  


 TH さん、きょうは、封筒を使った情報整理術について、お話しましょう。

 封筒を使った情報整理術としては、山根一眞さんの やりかた や野口悠紀雄さんの やりかた が知られていて、お二人の やりかた は参考になる点が多いので、お二人の著作を読んで参考にしてみてください。

 私も、8年ほど前から、封筒を使って情報を整理しています。
 封筒を使って情報を整理する以前は、色々な やりかた を試していたのですが、それらの やりかた は 「整理のための整理」 に陥ってしまい、情報整理の第一義の目的である 「情報の再利用」 から外れてしまいました(苦笑)。
 それらの やりかた を試すために、コピー 機や スキャナー を買い込んで、複数の バインダー を対象領域ごとに用意して、全ての情報を A4 版の大きさに統一して閉じたり、フロッピー や MO のなかに収納したりしていたのですが、対象領域の 「カテゴリー (分類)」 を、どのような単位にして編集するか、という点が最大の難点になって、図書館が使っている分類法などを流用してみたのですが、個人が蓄積する情報量などというのは図書館が所蔵する情報量に比べたら微々たる量なので、図書館の分類法は個人の整理法として役立たなかった。

 情報は、以下の 2つを単位にすれば、整理しやすい。
  (1) who (だれ)
  (2) what (なに)

 T字形 ER手法の生みの親としては、T字形 ER手法の やりかた を流用するのが筋だと考えて (笑)、私は、情報を以下の 2つに分類して整理しています。
  (1) resource
  (2) event

 対外的なやりとりのなかで得られた情報は、基本的には、相手 (「who (だれ)」) がわかっているから、「相手 (who) を単位にして」 整理すれば良い。例えば、「顧客」 情報がそうでしょうね。私は、クライアントに 関する情報は、顧客単位に封筒を用意して、五十音順に並べています。五十音順に並べる封筒 (情報) は、基本的には、T字形 ER手法では 「resource」 として分類される データ です。

 いっぽう、例えば、床下工事や防音工事のような住宅修繕については、工事をやった企業名称 (who) を覚えていることは稀でしょうから--T字形 ER手法では、(R) として扱われる対象ですから--、「事象 (what) を単位にして」 整理しています。例えば、「床下工事」 とか 「防音工事」 という見出しを綴った封筒を用意して、工事の見積書や請求書などを収納しています。事象 (what) を単位にした封筒は (事象の起こった最初の) 「DATE (日付)」 を刻印して、封筒は時系列に並べています。時系列に並べる封筒 (情報) は、基本的には、T字形 ER手法では 「event」 として分類される データ です。

 ただ、「resource」 であっても、頻度の少ない情報は、上位の スーパーセット (クラス) を使ってまとめています。
 例えば、手紙・はがきや FAX などは、(「who」 を単位にしないで) 以下の 2つの スーパーセット を使って、封筒のなかに、まとめて収納しています。
  (1) 私信
  (2) 交信

 年賀状や暑中見舞いも、同じような扱いにしています。

 封筒は 「角形 2号 (A4 サイズ)」 を使っています。
 封筒は、横にして使えばいい。
 挿入口を左側にして使い、右側の上隅に タイトル (と日付) を綴ればよい (写真を参照されたい)。
 なお、封筒の挿入口の ノリシロ 部分は切り捨てたほうがよい (封筒を並べるためには邪魔になる)。
 個人の情報を整理するのなら、封筒の数にして、300枚から 500枚もあれば充分に用が足りるでしょう。
 本棚のなかに封筒を並べるには、右隅上に記述されている タイトル がわかるように封筒を横に立てて並べて、1つの段には、「resource」 系の封筒を五十音順にならべて、他の段には 「event」 系の封筒を時系列に並べればいいでしょう (「resource」 と 「event」 は、それぞれ、べつべつの段に並べる)。
 「event」 系の封筒は、右側を起点にして並べて、新しい封筒は、順次、左側に追加されるようにすればよい。
 そして、古い封筒を再利用したら、(もとの場所にもどすのではなくて) 新しい情報として扱い--したがって、並べる順序は左側の先頭になるのですが--、再利用した 「DATE (日付)」 を追記しておけばよいでしょう。

 情報 (一次 データ) を封筒に入れて並べるだけですから、情報整理のために改めて用意をしなくてもいい。
 整理の コツ は、情報を 「resource」 と 「event」 の 2つに分類する点です。
 この やりかた を使うようになってから、私は、「情報整理のための強迫観念」 から解放されました。



[ 読みかた ] (2007年12月 1日)

 「封筒を使った 『情報の整理法』」 を具体的に記述しているので、取り立てて、補遺はいらないでしょう。

 「封筒を使った 『情報の整理法』」 を、私は、10数年続けてきて、いまも、実施していますし、今後も、継続するでしょう。なぜなら、その やりかた は、非常に簡単だし、極めて 「ききめ」 があるから。一年を通して本棚に貯まった封筒は、まいとし、年末 (の大掃除のとき) に、捨てるか遺しておくかを検討しています。




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  佐藤正美の問わず語り