2020年 1月 1日 ゆく年、く る年 >> 目次 (作成日順)

 

 明けまして おめでとうございます。

ゆく年を振り返って

 昨年 (2019年) の 「ゆく年、く る年」 のなかで私は次のように綴りました──

    私が もっと年老いて人生を振り返ったときに、きっと、昨年が一つの転換点だったと思うでしょうね。

 2018年の 「転換点」 として、会社復興と年金受給について述べました。2019年に私は 66歳になりましたが、年金受給者として会社生活を送るという形態が昨年の一年のあいだ私の普通の生活状態になりました──私がもらっている年金は多くない (住宅 ローン、息子たち三人の学費も完了していて、生活してゆくに困らない程度の少ない金額) ですが、生活費を年金で賄えて、会社の収入で給与 (生活費) を工面しなければならない懸念もないので、私は興味を抱いた研究・学習のみに集中する生活を送っています。

 そういう生活のなかで、昨年に始めたのは、英語辞書を読むことでした。英語辞書を読むなんてことは、以前には考えもしなかった──辞書というのは、知らない ことば を調べるための書物だと以前は思っていたのですが、辞書は ことば を集め、その意味・語源・用例などを分析して説明している書物なので、少し仰々しく言えば 「一国の文化の集約された書物」 とも云うことができるでしょう。勿論、辞書に記載されている ことば の すべてを読むなんてことは言語研究家でもないかぎり我々凡人には 土台 できない話ですが、いわゆる 「基本語」 に限って読むのであれば、我々にも できるでしょう──そう考えて、私は英語辞書 (和英辞典および英英辞典) を読みはじめました。

 辞書を読むには、用例が多く記載されている辞書がいい。私が読んでいる英語辞書は、「初級 コンサイス 和英辞典」(三省堂、昭和 47年第 4版) と 「新英英辞典」(研究社、1983年第 15刷) です──「初級 コンサイス 和英辞典」 は ページ 数が 400ページ くらいなので丸々読みましたが [ 今、読んだ用例の ノート を作成中です ]、「新英英辞典」 は 1,300ページ ほどの分厚い辞書なので、学習基本語彙 (約 5,000語、辞書では * がついている) に的を絞って読んでいます [ ちなみに、「新英英辞典」 は イギリス 英語を対象としています ]。私が 当初 読みたいと思っていた辞書は、「Idiomatic and Syntactic English Dictionary」(Horby氏他、開拓社) と 「ハンディ 英和活用辞典」(この辞典の親辞典が 「新英和活用大辞典」、勝俣銓吉郎 編、研究社) なのですが、これらの辞書には基本語の指示がないので、「新英英辞典」 に記載されている最重要語に対応する語を選んで読めばいいのかもしれないのですが、逐一 対応して読むというのが煩わしいし、その煩わしさが原因で辞書を読むのを途中で投げ出すことは想像できたので、Hornby氏・勝俣氏の辞書を読むことを諦めました──ちなみに、勝俣氏は 「新英和活用大辞典」 を まいにち 読むことを勧めていますが、それは英語専門家向けの助言でしょう。

 私は 30歳代・40歳代には たびたび 海外出張して──その ほとんど が アメリカ でしたが──、英語を使うことが仕事のなかで大きな比重を占めていましたが、40歳代の後半からは日常生活のなかで英語を使うことは まったくなくなりました。66歳の現在は、英語と縁がない── Facebook に英語の ジョーク を まいにち 一つずつ アップロード していますが (2年以上続いていますが)、英語との接触は そのくらいしかない。日常生活で英語を使うことのない私が どうして英語辞書を読むようになったのかと言えば、「日本語と英語において、発想法の違い」 を知りたいからです。この学習は、英語の専門家ではない私が年金受給になったからこそできる学習でしょう。私は、今、クワイン 氏 (論理学者、哲学者) の 「哲学事典」 を再読しています──クワイン 氏は ラッセル氏・ホワイトヘッド氏・カルナップ氏らに学んで数理論理学の革新に寄与した人物です、「哲学事典」 を読んでいて彼の言語知識 (英語、フランス 語、ドイツ 語、ラテン 語をはじめとして ポルトガル 語ほか多くの言語を熟知している) には驚嘆のほかはない。私は英語学習のみで やっとのことですが、自然言語 (日本語・英語) と 形式言語を対比しながら、「論理」 を探究したいと思う。

 昨年の年末 (12月) になって、とても悲しいことがありました──友人の死去です (昨年 12月14日、死去)。その友人 (N さん、50歳代半ば、「TM の会」 会員) は、拙著 「モデル への いざない」 の挿絵を描いてくれた人です。N さんは、美術大学出身だったので、「TM の会」 では 「画伯」 と呼ばれていました。私は、自身の最後の著作を (時期は いつになるか わからないのですが) 執筆するとき、画伯に再び挿絵を描いてもらおうと考えていました。画伯は、私の Twitter を Togetter に アップロード してくれて、Togetter の閲覧者数が累計数万件をこえたことを とても喜んでくれていたのですが、その Togetter も昨年 11月30日が最後の アップロード になりました。私が 「クレヨンしんちゃん」 の ファン であることを知った画伯は、画伯の趣味である スキー に行ったとき、「クレヨンしんちゃん」 の スキー をしている キーホルダー を買ってきてくれました──その キーホルダー は入手が難しいそうです、私の パソコン が置いてある側の壁に飾ってあります。その キーホルダー を見ながら、画伯といっしょに画伯の車で大阪に行ったことを 今 この エッセー を綴りながら私は思い出しています。Skype を使って、徹夜して画伯と 13時間 しゃべっていたことも思い出しました。画伯の人なつっこい笑顔が私の瞼に浮かんで来ます、合掌。

 
く る年の抱負

 今年の抱負は、取り立ててなくて、昨年はじめた 「辞書を読むこと・歩行運動 (1時間の歩行) を怠けることなく継続することです。辞書を まいちに 読んでいると、読んだ ページ 数が日ごとに増えていくし、歩行運動をした日には手帳の年間予定表に実績として チェック・マーク を書き込んでいるので、チェック・マーク が日ごとに増えていきます──そういう精勤が積み重なった足跡を眺めると、自身の意志力が まだまだ衰えていないことを確認できる。これらの学習・運動は今年も続けていくつもりです。

 まいとし恒例の富士山登山について、昨年の登山では例年に較べて 「瞬発力」 が落ちたのが気がかりだったので、今年は登山に向けての準備運動を変えるつもりです。一昨年までの準備運動は、登山の 4ヶ月前から二日に一回の頻度で スクワット 30回・踏み台昇降 300回を こなしていたのですが、スクワット が きつかったので止めて、昨年は二日に一回の頻度で 1時間の歩行運動に変えました──その結果は、昨年の登山は一昨年に較べて持久力は増したのですが、「瞬発力」 が落ちました (九合目の岩場を登るときに足が怠くて、足を上げるのが つらかった)。現在 二日に一回おこなっている歩行運動では、歩行経路のなかに神社があって、神社に至る石段 (約 70段) を往路・復路で一回ずつ上り下りするので、この石段の上り下りを三回ずつにして登山の 4ヶ月前くらいから準備運動として やってみようかなと計画しています。

 仕事のほうは、モデル TM を バーションアップ します。TM は、2015年から現在まで、バージョン 2.0 でしたが、バージョン 3.0 になります──3.0 の セミナー 用 ハンドアウト は ほぼ完成しているので、近日中に ホームページ へ アップロード します。

 私は今年で 67歳になります。67歳ともなれば、容姿・体力・知力は若い頃に較べて確実に落ちてきている。容姿の衰えは いかんともしがたいのですが、体力は富士山登山に向けて管理して、知力は辞書を読むことで衰えを低減しようと思っています。私が介護施設で働いていたとき (5年 3ヶ月 働きました)、居住者の老いの兆候が著しく現れるのが 「運動 (歩行)」 と 「言語 (話す・聞く)」 であることを具 (つぶさ) に観てきました。

 皆さんも健康に配慮して、生き生きと生活されることを祈っております。今年も良い年でありますように。





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  佐藤正美の問わず語り