2003年 4月16日 作成 メール・手紙を綴るための文例集 >> 目次 (作成日順)
2008年 5月 1日 補遺  


 
 TH さん、きょうは、メール・手紙を綴るための文例集について お話しましょう。

 
 ● メール の返事は時間を費やすので、ぶしつけな メール に対しては返事をしたくない。

 現代では、E メール をやり取りするようになりましたが、私は昔を振り返って、メール のやり取りについて、1つの疑問を感じることがある。
 たとえば、まいにち、5 通から 10 通くらいの メール をやり取りしているとしましょう──ただし、仕事のなかでやり取りされる メール を対象外とします。さて、私が感じている疑問は、昔の (手書きの) 手紙では、1 日のなかで、これほどの本数をやり取りしただろうか、という疑問です。

 手紙が (挨拶文・通知文や お礼の文など) 型のある短い通信文であれば、ちょっとした空き時間にでも認 (したた) めることができますが、相談事や近状報告ともなれば、便箋に向かって、おそらく、半時間から 1 時間ほどを費やすことになるでしょう。1 日のなかで 3 通以上も手紙を綴るというのは、よほどの健筆家でなければ、やらなかったのではないでしょうか。

 さて、そうは言っても、(返事を綴らなければならない) メール が、まいにち、5 通以上あれば、メール を綴るために多くの時間を費やすことになって、(1 日は 24 時間しかないのですから) ほかのことが犠牲になってしまう。

 親しい人々との メール・手紙のやり取りであれば、(読み手は、こちらの性質を知っていますから) いきなり、中味を書き出しても良いのですが、それ以外の メール・手紙では、いきなり、中味を切り出されると、いまだ親しくもないのに、お互いの信頼を形成するための努力を省いて、内庭のなかに一挙に侵入された無礼さ・ぶしつけさ・不快さを感じることになるでしょうね。

 [ お詫びと感謝 ]
 拙著の読者から質問の メール をいただいて、それらの メール が礼を尽くしていれば、小生のほうも、丁寧に返事しますが、5 通の返事であれば、数時間を費やすことになるので、そのときには、いつも、メール を やり取りしている親しい人々に対して短い返事しか出さないようにして犠牲になってもらっています。そのときには、親しい人々には事情を説明していますが、小生の事情を考慮していただき、感謝しております。

 
 ● 「型」 のある手紙は 「型」 に従うほうが time-saving である。

 まず、作文の効率を考えれば、「型」 のある手紙は 「型」 に従うほうが得策でしょうね。
 私は、「型」 の手本として、以下の書物をてもとにおいて使っています。

 (1) 上品な手紙の書き出しと結び、有田幸正、日貿出版社
 (2) ひと言はがき 一筆手紙、鶴田顕三、オーイズミ
 (3) ビジネスマン のための 1 行単位の手紙の書き方、日本 レターライターズ 編、サンマーク 出版
 (4) 手紙よりも簡単、電話よりも喜ばれる はがきの書き方、郷田 稔、成美堂出版
 (5) そのまま使える実例 217 心のこもった 手紙・ハガキ の書き方、大橋春男、徳間書店

 話したいことがあるから、メール・手紙を綴るのですから、中味を綴ることは苦労しないと思うのですが──中味を 「どのようにして」 綴るかという点は、作文の配慮がいるので、後日、扱いますが──、改まった形式の メール・手紙を綴るときに苦労するのは、おそらく、「書き出し」 と 「結び」 だと思う。
 そのための手本として、僕は、上述した (1) を使っています。

 そして、長い メール・手紙を綴ろうとすれば、ついつい、返事を出すのがめんどうになって筆無精になってしまうので、いただいた メール・手紙は即座に返事することにしていますが、親密感を示すために長々と綴ろうとするよりも、短い文章でも良いから即座に反応を示したほうが読み手も嬉しいと思う
 短文の手本として、私は、(2) と (3) を使っています。

 即座に返事しないで放っておけば、まいにち、返事しなければならない メール が溜まってしまうので、即座に返事しているというのが正直な事情なのですが、、、。
 そういうときに、「なお、この メール に対する御返事は御無用です。」 という文章が綴られた メール があれば、御配慮に対して ありがたい気持ちになります。

 手紙の文例集は数多く出版されているので、1 冊くらいはてもとに用意しておけば役立つでしょう。
 ただ、私の体験から言えば、全文の文例集よりも、「書き出しと結び」 の文例集や 「一筆・一行」 の文例集のほうが役立つと思う。

 
 ● ヘッダー (あるいは後付) として、氏名・住所・電話番号などを綴るのが エチケット である。

 メール の ヘッダー (あるいは後付) として、かならず、用件・氏名・住所・電話番号などを綴るのが エチケット です。
 メール ID と苗字しか綴っていない メール というのは──親しい人でなければ──、読み手のほうも冷ややかに対応してしまう。というのは、「関心の度合い」 を判断されることになりますから。たとえば、読者から メール が来て、その日、私は 10 通ほど返事をしなければならなかったとすれば──忙しかったとすれば──、身元を明らかにしている メール のほうを丁寧に答えて、そうでないほうを 「あっさりと」 返事して、深く思いやることはないでしょうね。

 
 ● 事前に、携帯電話を使って、メール を 「聞いておけば」、時間の節約になる。

 日中、外出していて、メールボックス を オープン できないときには、私は、携帯電話を使って、メール を 「聞く」 ことにしています──メール を読んでくれる サービス を プロバイダー が提供しています。そして、質問の メール があれば、帰宅途上の電車のなかで、質問に対する返事の大筋を考えて、帰宅したら、返事を直ぐに送ることができるようにしています。
 この サービス は便利ですので──時間を節約できるので──、読者の皆さんもお使いになることをお薦め致します。

 



[ 読みかた ] (2008年 5月 1日)

 本 エッセー は、5 年前に綴られました。「佐藤正美の問わず語り」 のなかで (「デジタル・ボイス・レコーダー (メモ 帳)」 [ 198 ページ 参照 ] に関する エッセー の補遺で) 綴りましたが、この 5 年間に、携帯電話が めざましく進歩しました。本 エッセー で述べた 「携帯電話を使って、メール を 『聞く』」 やりかた は、もう、不用になりました──というのは、パソコン に送られてきた メール を携帯電話で読めるようになったから。

 私は、外出している際、パソコン に送られてきた メール を携帯電話で読んでいます──あるいは、メーラー の フリーソフト 「nPOP」 を USB メモリーカード に入れていて、外出先に パソコン があれば、パソコン を借りて 「nPOP」 を使って、メール を読んでいます。携帯電話は、パソコン の メール を削除することができないのですが、「nPOP」 は、勿論、削除できるので、多量の スパム・メール を、都度、削除できます。ちなみに、私が携帯電話で使っている メーラー は、「通勤 ブラウザ」 が無料で提示している ソフトウェア で、メール・リスト (タイトル のみ) を最初に表示してくれるので、スパム・メール を オープン しないで、所用の メール のみを読むことができます。この メーラー に興味を抱かれたひとは、「通勤 ブラウザ」 を アクセス してみてください。

 さて、メール の返事について、皆さんは、以下の形式のいずれを使っていらっしゃいますか。

   (1) いただいた メール を 「オリジナル・メッセージ」 として添付形式にして、じぶんの返事は、
     ふつうの メール として綴る。
   (2) いただいた メール に対して、じぶんの返事を in-line 形式 (disperse、挿入形式) で綴る。

 私は、(2) を使うことが多いです。
 いただいた メール の案件が 一つであれば、「拝復、下記の件、云々」 と綴って (1) の形式を使いますが、複数の案件がふくまれているときには、(2) を使って、対話形式で応えるようにしています。

 文の綴りかたについては、本 エッセー のなかで具体的に記述しているので──「手本」 とする書物を記載しているので──、取り立てて、補遺はいらないでしょう。




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  佐藤正美の問わず語り