2003年10月 1日 作成 ユーモア 集、一言手紙 >> 目次 (作成日順)
2008年 3月 1日 更新  


 「ユーモア のない 1日は寂しい」 と、島崎藤村が言ったとか。
 自らの弱点を笑い飛ばす余裕がほしいですね。

 なお、英語の ジョーク 集 (英文) は、「読書案内」 (英語で ロジック を養う、67ページ) を参照してください。



[ 読みかた ] (2008年 3月 1日)

    If a person desires to be a humorist it is necessary that the people around him should be
    at least as wise as he is, otherwise his humour will not be comprehended.
    (James Stephens)

 「ユーモア」 という日本語 (翻訳語) を作りだした人物は、坪内逍遙だそうです。
 夏目漱石は、東京帝国大学でおこなった講義 (1905年) のなかで、「ユーモア」 に関して、以下のように説きました。ちなみに、かれの このときの講義は、「文学評論」 という書物として出版されています。

  「ヒューマー とは人格の根柢から生ずる可笑味」

 「ユーモア」 を理解するには、人生のなかで獲得してきた 「知性」 がなければならないでしょうね。だから、こどもには、「ユーモア」 を理解することはできないでしょう。

 ブリーストリー J.B. (英国の作家) は、「ユーモア」 を理解するためには、以下の ちから がなければならない、と述べています (「イギリス の ユーモア」、1976年)。

 (1) 皮肉を感じる ちから
 (2) ばからしさを感じる ちから
 (3) 現実感覚
 (4) 愛情

 「ユーモア」 および 「ウィット」 ならびに 「ペーソス」 という ことば には、それぞれ、独自の語義があるのでしょうが──そして、それらは、文芸思想上、重要な概念なのでしょうが、事後批評の概念なのであって──、文芸評論家でない私は、それらの相違点に対して、ほとんど、興味がない。ただ、私は、「ユーモア」 を理解できないひとを好きではない。そして、「ユーモア」 を理解する ちから は、養わなければならない ちから です──「ユーモア」 の性質が、夏目漱石の述べたような性質であるならば、そして、「ユーモア」 を理解する ちから が、ブリーストリー の述べたような ちから であるならば、「ユーモア」 集のみを読めば養われる ちから ではない、ということです。「ユーモア」 は、人生と まじめに向きあった視点のひとつである、と言っても良いでしょうね。

 「ユーモア」 であれ 「ウィット」 であれ、それらには、「洒脱さ」 が感じられます。ちなみに、吉田健一さん (英文学者) の随筆を読んでいて、私は、かれが 「ユーモア」 を体得しているひとであることを感じました。






 ● ポケット・ジョーク (1〜18)、植松 黎 編・訳、角川文庫

 ● ユダヤ・ジョーク 集、ラビ・M・トケイヤー、加瀬英明 訳、講談社α文庫

 ● ユダヤ 最高の ジョーク、ザルチア・ラントマン 編、和田任弘 訳、三笠書房

 ● 詭弁の ジョーク 術、三浦 竜、ワニ 文庫

 ● イギリス ジョーク 集、船戸英夫 訳編、実業之日本社

 ● アメリカ ジョーク 集、船戸英夫 訳編、実業之日本社

 ● ユーモア 大辞典 (上・下)、金子 登、講談社文庫

 ● 国語笑字典、郡司利男 著、KAPPA BOOKS

 ● 大語録 天の声地の声、永 六輔、講談社α文庫

 ● 無名人名語録、永 六輔、講談社α文庫

 ● 普通人名語録、永 六輔、講談社α文庫

 ● 一般人名語録、永 六輔、講談社α文庫

 ● 平成 サラリーマン 川柳傑作選、山藤章二・尾藤三柳・第一生命、講談社

 ● 平成 サラリーマン 川柳傑作選 (二匹目)、山藤章二・尾藤三柳・第一生命、講談社

 ● 平成 サラリーマン 川柳傑作選 (三杯目)、山藤章二・尾藤三柳・第一生命、講談社

 ● 平成 サラリーマン 川柳傑作選 (四番打者)、山藤章二・尾藤三柳・第一生命、講談社

 ● 平成 サラリーマン 川柳傑作選 (五ツ星)、山藤章二・尾藤三柳・第一生命、講談社

 ● 平成 サラリーマン 川柳傑作選 (第六感)、山藤章二・尾藤三柳・第一生命、講談社

 ● いずこもおなじ平成家族川柳、山田良行 監修、小学館

 ● 男と女の辛口川柳、尾藤三柳 選・著、同文書院

 ● 新川柳 末摘花、岡田 甫、有光書房

 ● とらばーゆ OL 川柳、とらばーゆ編集部 編、メディアファクトリー

 ● 続 かいしゃ川柳、朝日新聞 「ウィークエンド 経済」 編、丸山千桜 選、騒人社

 ● いわせてもらお フツー 人の華麗な逆襲、朝日新聞日曜版編集部、、同文書院

 ● にっぽん小咄大全 (世界 ユーモア 文学全集別巻)、浜田義一郎 訳編、筑摩書房

 ● 風流 吉原ごばなし、宮尾しげを 著、高文社

 ● 春秋艶夢 色ごよみ女の一生、岡田隆三、波書房

 ● ふらんす小咄大全、河盛好蔵 訳編、筑摩書房

 ● くたばれ アメリカ 弁護士 ジョーク で知る爆笑訴訟社会、服部健一、DHC

 ● 無遠慮な文化誌、フランク・ミューア、中西秀男 訳、筑摩書房

 ● 世界毒舌大辞典、ジェローム・デュアメル 著、吉田 城 訳、大修館書店

 ● 世界名言事典 新版、梶山 健 編、明治書院

 ● 世界名言全書 (全六巻)、河盛好蔵 編、東京創元社

 ● 日本一短い 「家族」 への手紙、福井県丸岡町 編、角川文庫

 ● 一行詩 面と向かっていえない ひと言、吉村英夫 撰著、学陽書房

 ● 愛しい人への はがき歌、はがき コンテスト 実行委員会 編、河出書房新社



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