2006年 1月 1日 複合構成の認知番号 (その 2) >> 目次 (テーマ ごと)
  ● QUESTION   物件番号と発注番号が複合構成になって、1つの発注を示す。 HDR-DTL 構成か。
  ▼ ANSWER   HDR-DTL 構成だが、対照表の HDR-DTL 構成として考えるほうが妥当である。
2011年 1月16日 補遺  



事業の前提


 (1) ゼネコン のような施工を管理する システム である。
 (2) ある建物を複数の施工会社 (下請け) に発注する。
 (3) その施工会社は、更に下請けの施工会社(孫請け)に発注する。
 (4) 下請けと孫請けの関係は、専門領域などで、おおよそ決まっているが、
    一定の ビジネス・ルール はない。したがって、再帰にはならない。

 コード 体系では、以下の番号がある。

 (1) 物件番号 (建物のこと)
 (2) 発注番号
 (3) 施行会社 コード

 

データ 構造


  ┌───────┬─┐     ┌───────┬─┐
  │物件     │R│     │   発注    │E│
  ├────┬──┴─┤     ├────┬──┴─┤
  │物件番号│    ├+───<┤発注番号│日付  │
  │    │    │     │物件番号│    │
  │    │    │     │(R)   │    │
  └────┴────┘     └────┴────┘

 発注番号は物件番号といっしょになって意味のある番号となる。
 物件番号に対しての連番になっている。

 たとえば、物件番号が A001 であれば、発注番号は (01, 02, 03) となる。
 つまり、「物件番号 + 発注番号」 が F-真 を示す。
 したがって、この事態に対して構造を与えようとしたときに、HDR-DTL を考えた。

   物件 [ R ]
   {物件番号、・・・}.

   施行会社 [ R ]
   {施行会社 コード、・・・}.

   発注 HDR [ E ]
   {発注番号、物件番号 (R)、施行会社 コード (R)、・・・}.

   発注 DTL [ E ]
   {発注番号、明細番号、物件番号 (R)、施行会社 コード (R)、・・・}.

 
 このような現象では、HDR も DTL も、それぞれ、物件と関係するのか。

 

考えかた (その1)──「物件」 を 「resource」 とする。


 この事象では、発注番号は、「区分コード (あるいは、種別 コード)」として使われているのではないでしょうか。すなわち、「事実上の発注」 は、「物件」 と 「施行会社」 の対照表 (event) であって、発注番号が区分 コード として使われているのではないでしょうか。

   物件 [ R ]
   {物件番号、物件名称、・・・}.

   施行会社 [ R ]
   {施行会社 コード、会社名称、・・・}.

   物件. 施行会社. 対照表 HDR
   {物件番号 (R)、施行会社 コード (R)、発注番号、日付、・・・}.

   物件. 施行会社. 対照表 DTL
   {物件番号 (R)、施行会社 コード (R)、発注番号、・・・}.

 
 こういう事象は、建設業では、典型的に観られる事象ですね。
 もし、HDR が JV (Joint Venture) であれば、以下のようになるでしょう。

   物件. 施行会社. 対照表 HDR
   {物件番号 (R)、施行会社 コード (R)、日付、・・・}.

   物件. 施行会社. 対照表 DTL
   {物件番号 (R)、施行会社 コード (R)、発注番号、施行種別 コード、・・・}.

   物件. 施行会社. 対照表 DTL.DTL
   {物件番号 (R)、施行会社 コード (R)、発注番号、・・・}.

 ★ ただし、DTL の発注番号が、JV の施行種別 コード を兼用するかもしれない。

 

考えかた (その2)──「物件」 を 「event」 とする。


 もう1つの考えかたは、「物件」 を 「event」 とする 考えかたです。
 「物件」 は 「resource」 なのですが、現実的には、「event」 にしかなっていないと考えることもできます。

   施行会社 [ R ]
   {施行会社 コード、会社名称、・・・}.

   物件 HDR [ E ]
   {物件番号、施行会社 コード (R)、発注番号、日付、・・・}.

   物件 DTL [ E ]
   {物件番号、施行会社 コード (R)、発注番号、・・・}.

   物件 [ VE ]
   {物件番号 (R)、物件名称、・・・}.

 ★ ただし、物件 VE は、物件 HDR から派生する。

 
 これとは反対の事象ですが、たとえば、契約番号 (event) が、そのまま、建物を示すこともあります。
 というのは、契約あるいは発注して建てた物件は、一回切りの事象であるという考えかたが根底にあるようです。

 もし、施行後の保守も担当しているのであれば、物件を 「resource」 として管理するのが妥当です。ただ、たとえ、物件を 「event」 として記録しても、「VE」 が quasi-resource を示しています。もし、施行しないけれど保守のみを担当しているのであれば、物件を 「resource」 として管理するでしょうね。

 



[ 補遺 ] (2011年 1月16日)

 取り立てて補足説明はいらないでしょう。





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