2003年10月16日 作成 組織変革 (組織と構造) >> 目次 (テーマ ごと)
2008年 1月16日 補遺  

 

 
 (1) 「構造」 だけが組織ではない。組織には、以下の 2つの意味がある。

    - organized (「結果」 としての組織--organization [ 構造 ])
    - organizing (「過程」 としての組織化)

   1970年代までは、「組織=構造」 という考えかたが強かった。

 
 (2) マッキンゼー・グループ は、企業の優位性が以下の 7つから成立することを提示した。
    [ Peters, T.J.=R.H. Waterman, "In Search of Excellence", Harper&Row, 1982. ]

    - スタイル (style)
    - スキル (skill)
    - 人材 (staff)
    - 共有価値 (shared value)
    - 構造 (structure)
    - 戦略 (strategy)
    - システム (system)

   以上の 7点は 「7-S 」 と呼ばれている。スタイル・スキル・人材・共有価値は 「ソフト-S 」 と呼ばれ、
   構造・戦略・システム は「ハード-S 」 と呼ばれている。「7-S 」 は、共有価値を中核にして相互依存
   関係になっている。

 
 (3) 「ハード-S 」 を中心にした組織改革には、以下の 2つの考えかたがある。

    - 「組織構造は経営戦略に従う (structure follows strategy)」 [ チャンドラー (Chandler, A.)]
    - 「経営戦略は組織構造に従う (strategy follows structure)」 [ アンソフ (Ansoff, H.I.)]





[ 補遺 ] (2008年 1月16日)

 私 (佐藤正美) は、「組織」 に関する以下の 2つの概念から、かつて、有益な視点を得て、それらの概念を データベース 設計法 (TM) に使いました。

 (1) organized (「結果」 としての組織)
 (2) organizing (「過程」 としての組織化)

 この 「組織」 という概念を、「構成」 とか 「モデル」 というふうに考えても良いでしょう。
 たとえば、「倉庫」 「棚」 および 「商品」 から構成される 「倉庫. 棚. 商品. 対照表」 という集合は、その集合の性質 f (x) を考えたら、以下の 2つに 「解釈」 できます。

 (1) 「実地棚卸」 という事象 (事実的な 「F-真」)
 (2) 「在庫品」 という事物 (導出的な 「L-真」)

 山本安次郎 氏 (経営学者) は、これらの概念を以下のように的確に まとめていらっしゃいます。(参考)

 「機能は構造的 (structural) でなければならないし、構造は機能的 (functional) でなければならない」

 蓋し、至言ですね。
 この考えかたが、本 エッセー のなかで引用した チャンドラー 氏・アンソフ 氏の言にも現れています。

 「7-S」 とか 「ハード-S」 とか 「ソフト-S」 などという ミーハー 的名指しなど無視して宜しい。

 
(参考) 山本安次郎・加藤勝康 著、「経営学原論」、文眞堂。





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