2004年 8月 1日 作成 「生産・在庫」 管理の歴史 >> 目次 (テーマ ごと)
2008年11月 1日 補遺  

 

 
1. 生産管理の ツール

 「管理」 の目的は、
 工場の情報体系 (情報 システム) を整備・運用して、製造を合理的におこなえるようにすることにある。

 生産管理では以下のような様々な ツール が用いられているが、本稿では、MRP を概説する。(注 1)

  (1) MRP
  (2) コンピュータ・ネットワーク
  (3) データベース 管理 システム
  (4) エキスパート・システム
  (5) シミュレーション・ツール

 
2. 生産原理

 生産原理は以下のように変化してきた。

 (1) [ 1970年代 ] 大量生産・大量消費 [ プロダクトアウト・マーケットイン ](注 2)
 (2) [ 1990年代 ] 多様化・短納期化  [ マーケットアウト・プロダクトイン ]

 
3. 「生産・在庫」 管理の歴史

 (1) MRP の アルゴリズム は 1970 年代に完成している。
   「閉鎖 システム (closed loop)」 として生産管理 (MRP) の体系は完成していた。

 (2) 1980年代以後、最新の コンピュータ 技術を導入して、生産管理は統合化される傾向が強くなった。
     - データベース 管理 システム の導入 (1980年代)── RDB が導入された。
     - LAN の導入 (1990年代)── CIM が導入された。(注 3)

 (3) 1990年代半ば以後、「ネットワーク 組織」 のなかで、多段階在庫が論点になった。(注 4)
    SCM を狙って(注 5)、付加価値の付与と多段階在庫の削減が関心事となっている。

 
(注 1)
 MRP は、以下の略語である。
 (1) Material Requirements Planning (資材所要量計画)
 (2) Manufacturing Resource Planning (製造資源計画)

 まぎらわしいので、ふつう、(2) として、MRP U という言いかたが使われる。
 MRP と MRP U のちがいは、後日、述べる。 

(注 2)
 単純に言い切ってしまえば、「プロダクトアウト・マーケットイン」 は、製造志向型の 「製造した物を セールス する」 形態をいい、「マーケットアウト・プロダクトイン」 は、マーケット 志向型の 「消費者が望んでいる物を作る」 形態をいう。

(注 3)
 Computer-Integrated Manufacturing.

(注 4)
 製造では、製造用の在庫があり、物流 センター や卸店では、流通用の在庫があり、小売店では、販売用の在庫がある。
 従来、拠点ごとに、在庫の削減を考えていたが、複数の拠点を対象にして、全体の在庫削減を考えるのが、「多段階在庫」 問題である。

(注 5)
 Supply-Chain Management (製・卸・販の一体化). 付加価値を作る 「価値連鎖」 のなかで、生産・流通・販売の効率化を目的としている。





[ 補遺 ] (2008年11月 1日)

 本 エッセー では、生産管理の ツール と生産管理の歴史を鳥瞰していますが、SCM を言及したのであれば、ここで、「マスター・プラン (製造計画) の共有」 を述べておくべきだったのかもしれない。すなわち、さまざまな利害関係者──たとえば、製・卸・販のそれぞれの value-chained 過程のなかに関与している人たち──が、「ひとつの マスター・プラン を共有して」、製造計画が変更されたならば、直ぐに (オンライン・リアルタイム で)対応できるような体制を整えることが SCM の前提になっていることを述べておくべきだったかもしれない。





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