2003年 4月 1日 作成 利益計画 (費用分解) >> 目次に もどる
2007年 7月 1日 補遺  

 

 
1. 利益計画

 管理過程の起こる順序は経営過程 (購買過程・生産過程・販売過程・財務過程・労務過程) の順序ではない。まず、利益計画がある。そして、利益計画が作成されたら、資金計画が立案される。
 利益計画は、目標利益から許容費用を計算する。

 (1) 予定売上高 − 目標利益 = 許容費用
 (2) 目標利益の立案には資本利益率 (資本利益率の目標値) を使う。

 
2. CVPC 分析

 目標資本利益率を達成するためには、費用と売上高と利益と資本の相関関係を分析しなければならない。
 この相関関係を分析する代表的な手法が CVPC 分析である。なお、CVPC は、費用 (Cost) と売上高 (Volume) と利益 (Profit) と資本 (Capital) の頭文字を略称した呼称である。

 
3. 費用分解

 CVPC 分析の前提として、費用分解 (固定費と変動費の区別) をしなければならない。

 固定費とは、売上高の増減と関係しない (言い換えれば、売上高の増減と関係しないで、つねに一定額となる) 費用のことをいう。
 例えば、減価償却費や固定資産税などは固定費である。

 変動費とは、売上高の増減に即応して増減する費用のことをいう。
 例えば、原材料費や売上手数料などは変動費である。

 固定費と変動費が混成している科目もあるが、準変動費と呼ばれている。
 例えば、配送用 トラック の レンタル では、料金は基本料金と走行距離に応じた変動料金から構成されるし、電気代も基本料金と使用量に応じた変動料金がある。

 費用分解には以下の 3つのやりかたがある。

 (1) 勘定科目法 (勘定科目ごとに変動費と固定費を区別する)
 (2) 散布図表法 (売上高と費用の プロット・チャート を作図して固定費を割り出す)
 (3) 最小自乗法 (最小自乗法の算式を使う)

 最小自乗法は、後日 (5月 1日)、述べる。
 勘定科目法と散布図表法については、管理会計 (あるいは、原価計算) の文献を参照されたい。

 次回 (4月16日) は、限界利益と損益分岐点について述べる。



[ 補遺 ] (2007年 7月 1日)

 利益計画では、目標利益から許容費用が計算される (予定売上高 − 目標利益 = 許容費用)。費用は、勿論、収益で賄われるのが良い。そして、損益分岐点 (次回参照) を下げるためには、固定費を変動費化すれば良い。損益分岐点は、損益発生の分かれ目となる売上高である。言い換えれば、一定期間の売上高が損益分岐点を超えて初めて売上高に比例した利益が発生する。したがって、固定費は、売上高の増減と関係しない費用なので、たとえば、売上高が落ちたときでも--言い換えれば、収益源を喪ったときでも--発生するから、固定費を変動費化して損益分岐点を下げれば、売上高に比例した利益を得る機会が増えるということになる。




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