2005年 8月16日 作成 生産力の計画 (能力所要量展開) >> 目次 (作成日順)
2009年11月16日 補遺  

 

 
━■ 基礎概念 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(1) 工程展開
(2) 負荷山積み
(3) 負荷調整 (overload、underload)
(4) 生産力調整
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1. 工程展開

(1) MRP は、品目 (種類・数量) の計画である。
(2) CRP は、実際に作業がおこなわれる工程ごとの負荷計画である。
   ワークセンター ごとに負荷山積み計算を実施する。

 
2. 負荷山積み

(1)負荷とは、仕事の量をいう。時間 (労働時間あるいは機械運転時間) を単位にする。

  (1)-1 労働時間基準
      能力工数 = 就業時間 ×(1 − 間接作業率)× 作業者数 × 出勤率
      負荷工数 = 標準作業時間 × 生産数 + 段取り時間

 (1)-2 機械運転時間基準
      能力工数 = 運転時間 ×(1 − 故障率)× 機械台数
      負荷工数 = 標準加工時間 × 生産数 + 段取り時間

 (1)-3 負荷率
      負荷率 = 負荷工数 ÷ 能力工数 × 100%

 
(2)ワークセンター ごとの負荷量計算には、以下の 2つがある。

 (2)-1 フォワード 法(forward)
     着手計画日を起点して、リード・タイムを考慮し、負荷を山積みする。

 (2)-2 バックワード 法(backward)
     完了計画日を起点にして、リード・タイム を考慮し、負荷を山積みする。

 
(3)ワークセンター ごとの負荷山積み計算には、以下の 2つがある。

 (3)-1 能力無限負荷(能力の限界を考慮しないで、自由に山積みする。)
     [ 製造 オーダー の日程を守る。]

 (3)-2 能力有限負荷(能力の限度内で、山積みする。)
     [ 製造 オーダー の日程を変更する。]


┏━<<ワークセンター負荷情報>>━━━━━━━━━━━━………………‥‥‥‥
┃
┃ ワークセンター(たとえば、FAB)、名称などの記述項目
┃                                    負荷比率
┃ 週  開始日    終了日    能力工数  負荷工数  計画工数  0%   100%
┃ 01 01/17  01/20  122   159       0     ******************
┃ 02 01/25  01/27  102    56   16     ******
┃
┗━━━━━━━━━…………………‥‥‥

 
3. 負荷調整

  工程の着手時期をずらして、負荷を平準化する。
  ほかにも、以下の対応を考えることができる。

 (1) 工程の重ね (overlap)
   - リード・タイム を短くする。
    - 前工程の ロット が、すべて、完成する前に、一部を、次工程に送る。

 (2) 工程分割 (operations splitting)
   - ロット を分割して、同一作業を 2台の機械で同時におこなう。
   - 段取り時間が増えるが、加工時間は短くなる。

 (3) ロット 分割 (lot splitting)
   - 小さな ロット にする。

 
4. 能力調整

 (1) 対策能力 = 所要能力 − 保有能力

 (2) 所要能力 > 保有能力
   - さらに、能力をふやす(就業延長、休日出勤、他部門の応援、外作化など)
   - MPS を変更する。

 (3) 所要能力 < 保有能力
   - MPS をふやす。
   - 生産能力を削減する。(就業短縮、他部門からの振替など)



[ 補遺 ] (2009年11月16日)

 CRP (能力所要量計画) は、一言でいえば 「生産力の計画」 で、MPS (マスター・プラン、製造計画) と労働力・設備能力を一致させるための過程です。具体的な作業として、工程ごとの負荷を計画・調整します。負荷とは、仕事の量のことで、ふつう、時間 (労働時間・機械運転時間) を単位にして計算されます。負荷計画は、工程ごとに、すでに確定している負荷に対して、目下 計画されている負荷を足します──これを 「負荷山積み」 と云います。負荷を山積みしたときに、現有の生産力を超える (あるいは、大幅に下回る──言い換えれば、稼働率が多大に低くなる──) のであれば、負荷を調整して平準化します。負荷の平準化は、まず、工程の着手時期をずらすことを考えますが、それでも、工程の過負荷が起こるようであれば、「工程重ね・工程分割・ロット 分割」 などで対応します。
 以上は、保有能力を前提にした調整ですが、それでも負荷を調整できないときには、生産力そのものを調整します──これを、「能力調整」 と云います。





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