2020年10月15日 「7.2.2 連結 (connected)」 を読む >> 目次に もどる


 「切断 (ふたつに分けることができる)」 ということは、集合 A と ¬A (A の補集合) に分けることです──すなわち、A のなかの点 a から ¬A に収束できないし、¬A の点 b から A に収束できない。言い替えれば、集合 A も集合 ¬A も閉集合です。そして、「切断」 できないことを 「連結 (connected)」 と云います。

 位相空間 E において、E を 「切断」 して閉集合 A と閉集合 B に分けたとき、分けた点は必ず どちらかの集合に入らなければならないし (すなわち、境界線上の点はない、ということ)、その点は もういっぽうの集合から近づけることができる [ 近傍 ]──この考えかたが、実数を定義するときに デデキント が使った 「切断」 概念です。

 モデル TM では、この 「切断」 概念を 「セット と サブセット」 構成において使っています。集合 (セット) E において、E を部分集合 A, B に 「切断」 した場合に、A ∩ B = φ かつ A ∪ B = E となります──A と B には、交わる点は存在しない、言い替えれば A と B は排他的 OR 関係にあるということ [ AND 関係は起こり得ない ]。それは当然のことであって、E も A も B も いずれも閉集合なのだから。この閉集合 (セット) を構成する判断規準として モデル TM では、コード 体系上の個体指示子 (具体的には、○○番号とか××コード) を使い、その サブセット を構成する判断規準として、コード 体系上の○○区分コード (あるいは、××種別コード) を使っています。もし、○○区分 コードを使って構成した サブセット のあいだに交わり (AND 関係) が生じるのであれば、それぞれの サブセット は閉集合になっていないのだから、それぞれの サブセット を閉集合にするように、しかるべき対応をとります [ ○○区分 コード を当該 集合 から排除した構成 (対照表あるいは クラス を生成した構成) を考えます ]。

 ちなみに、サブセット のあいだでは境界線上の点はないということは、次のように簡単に証明できます── K という集合 (セット) を考えて、K(a) と K(b) の 2つの サブセット を考えて、もし K(a) と K(b) が共通の メンバー c をもっていれば (すなわち、K(a) と K(b) の境界上に c があれば)、K(a)〜c, K(b)〜c。 対称律を使って、K(a)〜c, c〜K(b)、ゆえに、K(a)〜K(b)。証明終わり。K(a) と K(b) に交わりがあれば、K(a) と K(b) は、形式上、サブセット にならない。すなわち、このふたつの サブセット は 「連結」 であって、「切断」 にはなっていない。 □

 




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