2021年 7月 1日 「10.3.2 スコーレム の定理」 を読む >> 目次に もどる


 「レーヴェンハイム の定理」 (有限領域での 「充足-モデル」 存在性) の スコーレム 版 (可算無限領域 版) のことを ふつう 「レーヴェンハイム・スコーレム の定理」 と云います。そして、この定理が論理的意味論の起点になりました。この定理を起点にして、モデル に関する いくつかの定理が展開されてきました。

 数学者──数学基礎論を専門にしていない 「普通の」 数学者──が どのようにして 「完全性定理」 を学習するかは、数学の シロート である私には 皆目 想像できないけれど、我々 シロート が 「完全性定理」 を学習するときには先ず数学基礎論の入門書を読んで そこに記述されている説明を読んで、「完全性定理」 が証明したこと および その証明の やりかた の大略を学ぶというのが普通の学習法でしょうね。入門書のなかで説明されている証明法は、ゲーデル の論文を直接に逐次註釈したのではなくて、「一般完全性定理」 (「強完全性定理」 とも云う) を説明していることが多いようです──すなわち、「公理系 T (述語論理) が無矛盾ならば、T の可算 モデル が存在し、かつ モデル が存在すれば、その形式的体系は無矛盾である」 という証明です、そのために 「一般完全性定理」 は 「モデル の存在定理」 とも云われています。私が最初に 「完全性定理」 を学習したときに読んだ 「デーゲル の世界」 (廣瀬 健・横田一正 共著、海鳴社) では その証明法が記述されています。ちなみに 「ゲーデル の世界」 には、付録として 「完全性定理」 の翻訳が収録されているので、ゲーデル の論文を (翻訳ですが) 直接に読むことができます (私は ちゃんと読みました)。

 「一般完全性定理」 は、「T の モデル が存在すれば T が無矛盾であることと同値である」 という証明です。私は 「ゲーデル の世界」 を最初に読んだとき、狭義の 「完全性定理」 (恒真 = 証明可能性) との関係が追跡しにくかった (それは当然なことで、数学の シロート が一読してわかるような定理ではないでしょう [ 笑 ] )。完全性を証明するには、無矛盾ならば モデル が存在することを示せばいい。我々 シロート は単純に次のように考えればいいでしょうね──

 (1) T ⊢ ¬A ⇒ { T, ¬A } は無矛盾である。

 (2) A が モデル M で恒真である ⇒ ¬A は モデル M で充足的でない。

 (3) T は無矛盾である ⇒ T は モデル をもつ。

 (4) 証明可能性とは、T ⊢ ¬A ⇒ { T, ¬A } は任意の モデル M で充足的である。
   かつ、その対偶の ¬A は T の任意の モデル M で充足的でない。

 (5) T が空集合のときが述語論理の完全性である。
   (述語論理の完全性とは、「⊢ A ⇒ A は恒真である」)。

 この モデル の存在性が 「不完全性定理」 (ゲーデル の定理) で使われることになるのです。 □

 




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