2006年 3月16日 作成 文を綴るための辞典 (DUDEN、ワーズ・ワード) >> 目次 (テーマ ごと)
2011年 3月 1日 補遺  


 
 TH さん、きょうは、「文を綴るための辞典 (DUDEN、ワーズ・ワード)」 について考えてみましょう。

 
 本 ホームページ 「読書案内」で、「英語 (中級)」 の辞書に対して、3月 1日に、以下の 「読みかた」 を追記しました。

     DUDEN や Word's Word は、ぜひとも、一冊、常備したほうが良いでしょう。
     和英辞典を使うには、すでに、日本語で事物を指示できることが前提ですが、たとえ、事物を
     知っていても、それに対応する日本語がでてこないときも、たまに、起こります。たとえば、
     運動靴 (running shoe) では、紐のさきっぽ が小さい筒状の金具 (あるいは プラスチック)
     で被われていますが、英語で すぐに言えますか。 aglet と言います。運動靴を例にした理由
     は、「絵でひく英和大図鑑 ワーズ・ワード」 の表紙に描かれていた運動靴の図が、たまたま、
     私の目に入ったからですが (笑)。たとえば、ドアノブ の土台である円い金具が--「丸座」 と
     いうそうですが--壊れたことを英文日記に綴ろうとして、「丸座」 という日本語あるいは
     それに対応する英単語が浮かびますか。 rose と云うそうです。たばこを吸う人であれば、
     ライター の火をおこすとき、点火石をこする 「やすり」 を英語でどういうか知っていますか。
     striker wheel だそうです。あるいは、電話--携帯電話ではなくて、固定電話ですが--の
     「取っ手」 を英語で どういうか。 reciever は (相手の声が聞こえる) 耳当て部分のこと
     を云い、transmitter (送話器、話す部分) と対になる呼称であって、「取っ手」 ではない
     --「取っ手」 は handset と云うそうです。

     こういう DUDEN とか Word's Word は、ページ を気ままに めくりながら、ただ観ているだけで
     も、愉しい。

 
 さて、こういう日本語辞典はあるのかしら。私の知っているかぎりでは、「日本史 モノ 事典」 (平凡社) のほかにないようです。近世・現代に出版された有職故実の辞典は、事物の形状などを記述していますが、有職故実のなかの 1つの領域として扱われていて、事物そのものを網羅的に記述している訳ではないですね。

 私は、大学生の頃から (30年も過去のことですが--笑) DUDEN を使ってきましたが、OXFORD-DUDEN pictorial English Dictionary も Word's Word colour visual dictionary も欧米の事物に関する図鑑であって、日本の事物--たとえば、着物の羽織袴とか--に関する詳細な記述はない。着物の部位名称を知るためには、専門的な衣装辞典を調べなければならないし、能面の種類を調べるためには、専門的な能・狂言 辞典を調べなければならないというのが現状です。「日本史 モノ 事典」 (平凡社) は、これらの諸点を網羅していて重宝な書物なのですが、事物の名称のみを記載していることが多くて、欧米で出版されている DODEN に較べて、(事物のなかの) 部位の名称まで詳細に記述していることは少ない--いちぶ、部位まで詳細に記述している例もありますが [ たとえば、前述した着物とか ]。「日本史 モノ 事典」 は、その名称が示すように、歴史的な事物を多く扱っていて、現代の事物は (昭和 30年までで止まっていて) 記載が少ない。

 日本のどこかの出版社が、日本人向けに、日本の事物を記述した--当然ながら、日本の現代生活では、欧米の事物も多数に使われているので、DUDEN や Word's Word のなかに記述されている事物も網羅していなければならないのですが--図鑑を出版してくれないかしら。そういう図鑑は役立ちますし、図を観ているだけでも、知識が増えて愉しいと思うのですが。



[ 補遺 ] (2011年 3月 1日)

 取り立てて補足説明はいらないでしょう。





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  佐藤正美の問わず語り