思想の花びら 2013年 5月16日


 ●  アラン (哲学者) のことば

  思想を変える唯一の方法は行動を変えることだということを、いっこうに知らない人が少なくない。情念に駆られている人間は例外なく、思想によって思想を祓 (はら) い浄 (きよ) めようとかかる。もちろん、これはうまくいかない。   

 



 ●  亀井勝一郎 (批評家) のことば

  色ごのみとか恋愛は、本来 「知的」 な行為である。(略) 兼好法師の言葉全体にみられるのは 「瀟洒 (しょうしゃ) な知性」 とも言うべきもので、彼はいかなる場合でも感情に溺れていない。頭の冴えきった人だ。(略) 元来すぐれた感情とは知性の原動力なのだ。兼好のそれを 「潤いのある知性」 とよんでもいいと思う。「色このまざらむ男はいとさうざうしく」 と言ったときの 「さうざうしさ」 とは潤いのない知性のことだと解してもよかろう。

 


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