2001年12月31日 作成 読書論・書斎術 >> 目次 (作成日順)
2006年 6月16日 更新  


 新たな年を迎えて、思いを新たにして、年間計画を立てる人々も多いでしょうから、計画立案や研究研鑽のために役立つ読書論・書斎術などの本を紹介します。
 それらの本を読んで、読書のしやすい環境を整え、自らの読書術や情報収集術を養ってください。
 なお、文中、★は「お薦め」の意味です。



[ 読みかた ] (2006年 6月16日)

 こういう類の書物が 10年以上に及んで増版されることは、まず、ないので、ここに記載された書物を読まなければならないということではなくて、それぞれの書物をまとめて 「見出し」 として示した 「計画術・思考術・読書術・情報整理術・書斎術・エチケット マナー」 に関する書物を読んでほしいということです。そして、こういう類の書物は、できれば、20歳代後半か 30歳代前半で読んでほしい。40歳代・50歳代になって、こういう類の書物を読んでも、「too late」 でしょうね--ただ、そういう年代でも、いままでやってきた やりかたを修正するために読むなら役立つでしょうが、40歳代・50歳代になって、はじめて、計画術・思考術・読書術・情報整理術・エチケット マナー を系統だって学ぶというのは 「too late」 でしょう。40歳代・50歳代の人なら、いままでの人生経験を活かして、ほかの やりかたを考えたほうが良いでしょう。ここに記載した書物は、あくまで、これから学習を進めようとしている 20歳代・30歳代の人たちを念頭に置いて綴られています。

 




 

 ▼ 計画術

 ● チャートで できる人生計画、中村信博、総合ライフ出版(★)

 ● サラリーマン 20年計画の実践、井上富雄、青春出版社(★)

 ● 人生お金計画の立て方、川北義則、サンマーク出版

 ● 競争社会に生きる 能率人間の知的時間のつぶし方、板坂 元、KKベストセラーズ(★)

 ● 自分のための24時間、川北義則、三笠書房

 ● ヒ゛シ゛ネスエキスハ゜ート 「知的」 時間活用術、増田剛己、日本経済新聞社

 ● HOW TO ORGANIZE YOUR WORK AND YOUR LIFE、Robert Moskowitz、DOUBLEDAY DOLPHIN

 



[ 読みかた ] (2006年 6月16日)

 前述しましたが、ここに記載した著作と同じ書物を読まなければならないということではなくて、以下の点を考える際に手助けとなる書物を読んで下さい。

  (1) 生涯計画を立てる。
  (2) 貯蓄の しかた を考える。

 生涯計画を立てるということは、みずからの キャリア・パス を設計することです。そして、生涯計画を立てれば、当然ながら、それを起点 (目的) にして、年間計画・月間計画・週間計画・日課表などを導き作成することになるでしょう。これらの計画表の作成法については、「佐藤正美の問わず語り」 (58ページ、62ページ、66ページ、70ページ、74ページ 及び 78ページ) を参考にして下さい。

 私は、生涯計画を立て、みずからの キャリア を積みながら、それなりの貯蓄をしてきたのですが、数年前に、SDI のキャッシュフローが困窮したとき、貯蓄のすべてを投入したので、また、貯蓄を ゼロ から積んでいる次第です (苦笑)。「恒産なくして恒心なし」 という言い伝えがありますが、みずからの やりたい ことを金銭がないために諦めるということは、のちのち、大きな悔恨を遺すでしょうし、日銭を得るために、他人に阿 (おもね) ることを潔しとしないのであれば、貯蓄に対して注意を払うべきでしょう。

 




 

 ▼ 思考術

 ● 読書・思索・文章、シ゛ャン・キ゛ットン 著、安井源治 訳、中央出版(★)

 ● 新しい思考術、シ゛ャン・キ゛ットン 著、渡辺 秀 訳、中央出版

 ● 考えるために、アラン 著、仲沢紀雄 訳、小沢書店(★)

 ● 神経言語の プログラミング、リチャート゛・ハ゛ント゛ラー 著、酒井一夫 訳、東京図書

 ● 考える技術・書く技術、板坂 元、講談社現代新書(★)

 ● 知の ソフトウェア、立花 隆、講談社現代新書

 ● 企画・発想の醸成技法 ビジネス・プランニング、生田哲雄、東洋経済新報社(★)

 ● 一枚の紙から発想する技法、河合正義、日本実業出版社

 ● 知的メモ術入門、増田剛己、かんき出版

 ● 創造性を高める メモ 学入門、今泉浩晃、日本実業出版社

 ● 頭脳200%活性法、大島 清、PHP

 ● 頭のうまい使い方 下手な使い方、竹内 均、三笠書房

 ● 「企画書」 の書き方 事典、村山涼一著、学習研究社

 ● 企画書 提案書 の書き方、齋藤 誠 著、日本実業出版社

 ● 創造性の開発、ウ゛ァン・ファンシ゛ェ 著、加藤八千代・岡村和子 訳、岩波書店

 ● 人間科学序説、J. ヒ゜アシ゛ェ 著、波多野完治 訳、岩波書店

 



[ 読みかた ] (2006年 6月16日)

 私は、こういう類の書物を 30歳代後半のときに、(ここに記載されている書物のほかにも) わんさと読みました。そういう書物のなかで、いま、書斎に遺っていた書物を ここに記載しました。それぞれの書物には、どういうことが記されていたかを、いま、詳細に思い出すことはできない。ただ、ここに記載した書物は、書斎に遺っていたことを鑑みれば、私の思考法に対して、なにかしら役立ったことは確かでしょうね。どのような ミーハー 本でも、たいがい、1つや 2つほど、役立つことが記されていますので、ミーハー 本を無意味だと言うつもりはありません。ただ、ほかに読むべき学術文献が豊富にあるのだから、こういう ミーハー 本ばかりを読んでいては、人生の浪費です。

 私は、出張の移動中に、学術文献を読むほどの集中力がないときには、気分転換として、こういう類の書物を一気に読破してきました。新書本一冊であれば、ふだん、読書を習慣にしている人なら、2時間か 3時間で読破できるでしょう。こういう類の書物は、いちぶを除いて--たとえば、ギットン 氏の書物を除いて--、わざわざ、読書時間を割り当てることもないでしょう (ただし、ギットン 氏の書物は熟読するに値します)。

 哲学を学習している人であれば、故 ギットン 氏が フランスの代表的な哲学者であることを知っていると思いますが、ここに記載した ギットン 氏の書物は、かれの専門領域での学術書として記されたのではないのですが--若い人たちの勉学を助けることを目的として綴られた書物なので--、読書法・文章作成法を考えるには、とても役立つ書物です。版が古いので、もう、絶版になっていると思うのですが、古本店で探してみて下さい。「超」 お薦めの書物です。

 




 

 ▼ 読書術

 ● 頭の回転をよくする 読書術、加藤周一、光文社(★)

 ● 読書家の新技術、呉 智英、朝日文庫

 ● 入門 読書の技術、「知的生産の技術」 研究会、大和出版

 ● なにを・どうして求めるか レファレンス・ブックス、長沢雅男、日本図書館協会(★)

 ● 本を探す本、本の探偵団 編、フットワーク出版社(★)

 ● 現代人のための情報収集術、情報アクセス研究会 編、青弓社(★)

 ● 社会学文献事典、見田宗介 他編、弘文堂(★)

 ● 世界の古典名著 総解説、自由国民社(★)

 



[ 読みかた ] (2006年 6月16日)

 「頭の回転をよくする 読書術」 (加藤周一) は、(絶版になっていたのが、) 最近、復刻されたそうです。私は、この書物を読んで、百科事典に対する考えかたを改めました。それまで、百科事典を単なる細切れの知識をあつめた書物として軽視していたのですが、 「頭の回転をよくする 読書術」 を読んで、百科事典を効果的・効率的に使う やりかた を教わりました (--その点について、「佐藤正美の問わず語り」 で綴りました [ 202ページ参照 ])。
 文学に興味を抱いているほどの人なら、加藤周一氏が 「日本文学史序説」 を著して、幅広い知識と教養を持ち、明晰な思考力の使い手として ご存じでしょう。かれが一般向けに著した 「頭の回転をよくする 読書術」 は、かれの豊富な知識が どのようにして得られているのかを垣間見た気がします。

 書物の読みかたなどは他人から教わらなくても知っていると思う人たちがいるかもしれないのですが、そして、みずからが購入した書物を どのように読んでも、読者の自由ですが、少なくとも、著者の主張を無視して、読者の都合の良いように読み下すことは 「読書」 に値しないでしょう。なぜなら、もし、そういう読みかたをするのであれば、書物など読まないで、みずからの考えかたを、終始、固守していれば良いのだから。亀井勝一郎氏は、言語生活に関して、以下のような鋭いアフォリズムを示しています。

     私は日本人だ。だから日本語なら自由に話せる。これが錯覚の第一である。言語表現の自由がある。
     だから私は何でもしゃべることができる。これが錯覚の第二である。自分の使っている言葉はわかり
     きっている。これが錯覚の第三である。そして これらの錯覚のおかげで、私たちは何となく日常の用
     を足しているのである。(「思想の花びら」、大和書房)

 私は、仕事がら、多数の人たちと会ってきましたが、書物を多量に読んで 「読書子」 を自認している人たちでも、書物を的確には読んでいないことを私は観てきました。書物を的確に読むためには、それなりの技術が要ります。それが読書術 (読書法) です。この技術は、若いときに習得しておくべきでしょう。

 中学校・高校では、現代国語の授業で、模範的な日本文を題材にして読書しましたし、あるいは、夏休み・冬休みの宿題として読書感想文を綴ってきましたが、「読書のしかた」 を教わった記憶がない、、、。その点を、ギットン 氏は、以下のように、巧みに言い当てています。

     先生は、諸君に宿題を発表する。諸君の答を批評し、点をつける。ときどき、しかも諸君の学力が上がる
     につれて少なくなるが、先生は諸君の宿題を直して返してくれる。先生自身が作った模範答案を示して、
     どうすればよいかを教えてくれる。しかし、どのようにして その模範答案を作るかは、ほとんどいって
     くれない。それは諸君の自主的な勉強または体得にゆだねられている。この 「どのようにしてやるのか
     わからない」 ということ。一部の学生が勉強しながら気持が挫ける原因の中で、これが大きな部分を
     占めている。(「読書、思索、文章」、中央出版社)

 私は、読書法でも、ギットン 氏から教わった点が多かった。
 仕事に就いて、いちどは--そして、それは若い頃に--読書術 (読書法) を丁寧に考えてみるべきでしょう。

 私は、大学院での学習が (修士課程を修了して辞めましたが) 「費用-対-効果」 の点から観て pay-off したかどうかを疑問視しているのですが、少なくとも、1つだけ役に立ったのは、資料を調べることを学んだ点です。すなわち、「資料を どのようにして探せば良いか」 を学んだ点は、以後、役立ちました。1つの テーマ に関して、身近で入手できる資料のみを読んで--あるいは、ほんの数冊の書物を読んで-- 「わかったつもり」 にならないという態度を体得した点は良かったと思っています。

 




 

 ▼ 情報整理術

 ● 教師のための 情報整理術、佐々木俊幸、明治図書(★)

 ● 「超」 整理法、野口悠紀雄、中公新書

 ● 達人たちが伝授する 「超」情報整理術、「THE 21」編集部 編、PHP

 ● 整理術入門、黒川康正、ごま書房

 ● 私の 「本」 整理術、安原 顯 編、メタローグ

 ● 知的職人のすすめ (ビジネスマン の七つ道具)、岩崎隆治、PHP

 ● 高感度 データベース 活用法、桂 勤、PHP

 



[ 読みかた ] (2006年 6月16日)

 私は、所蔵している書物の整理に困っています。専門的な研究者であれば、蔵書も 2,000冊とか 3,000冊くらいになるのがふつうでしょうが、私のように、ごくふつうの エンジニア が趣味として読んできた (あるいは、あつめてきた) 書物が 1,000冊くらいにもなれば--1,000冊以上は所蔵していると思いますが、2,000冊には及ばない--、まず、書物を置く場所に困ります。貧乏な エンジニア (私のこと) が住んでいる 「うさぎ箱」の アパート には--しかも、家族が 5人が住んでいるので--、とうてい、それらの書物を置く場所はない。そのために、書斎として書物を置くために、拙宅の隣にある アパート を借りています。貧乏なうえに、書物を置くために、さらに、アパート の賃貸料を払っているのですから、極貧状態です。それでも、私は、書物を捨てることができない (苦笑)。

 書物よりも小さい形の情報は、封筒を使って整理しています。「整理」 と言っても、封筒のなかに入れて、本棚に並べているだけです。私は、TM (T字形 ER手法) の entity 概念を援用して、「event」 系を時系列に並べて、「resource」 系を五十音順に並べています。野口悠紀雄 氏が、封筒を使った整理術を述べていらっしゃいますが、私も昔からやっていたので、真似した訳ではないので、念のため (笑)。

 書物の整理法は、前述したように、悩んでいますが、以下に記するように、いちばんに簡単なまとめかたをしています。

  (1) テーマ ごとに部屋を割り当てる。
  (2) 本棚のなかで、テーマ ごとに区切る。
  (3) 本棚から溢れた書物は、テーマ ごとに、風呂敷・段 ボール箱 のなかに収める。
    あるいは、テーマ ごとに平積みする。

 書斎として借りている アパート は 3DK です。蔵書は、まず、部屋ごとに まとめてあります。「哲学・宗教・数学・文学・英語の部屋」、「日本史・民俗学の部屋」 および 「辞典の部屋」 というふうに仕訳しています。それぞれの部屋では、本棚のなかを、さらに、テーマ ごとに仕切っています。そして、本棚に入らない書物は、テーマごとに、風呂敷・段 ボール 箱のなかに包んだり、平積みしています。

 1,000冊にすぎない蔵書ですから、図書館のような丁寧な保管記録法を導入しなくても、どの部屋の どの本棚にあるのか がわかれば良いので、取り立てて、整理法を考えないことにしています。つい最近、拙宅で執筆していて、愚息 (次男、中学 1年生) に書斎へ書物を取りに往ってもらったのですが、「あの部屋の あの本棚の 上段」 というふうに指示したら、愚息は直ぐに取ってこれたので、今の整理法は、下手な整理法ではないと思っています。

 かつて、図書館のような丁寧な保管 カード を作りはじめたのですが、「整理のための整理」 に陥ってしまって苛々 (いらいら) したので、途中で投げ出しました (笑)。整理法を述べた書物は、どうも、整理術のみを重視しているきらいがありますが、整理というのは再活用のために直ぐに役立つことが大切なのであって、1,000冊程度の蔵書であれば、事細かな保管 カード など作るに及ばないでしょう--そういう整理をすること自体が waste of time です。
 若い人たちが整理術の書物を読んだら、ひょっとしたら、整理術の見事さに魅せられて、「整理のための整理」 の泥沼 (あるいは、ほんらい やるべき仕事を割いてまで整理に費やすという本末転倒な現象) に陥らないようにして下さい。

 コピー 機は、思いの外、役立ちます。というか、コピー 機があれば、わざわざ、読書 ノート を作らなくても、読書したときに参考となる文に下線をひいて、のちほど、それの ページ を コピーして、テーマ ごとに、封筒に入れておけば、簡単に整理できます。最近は、スキャナー・コピーが一体になったプリンターがありますが、コピー 機能は、一枚ずつの挿入形式が多いので、スキャナー で読み取ってから プリント しなければならないので煩わしい。コピー 機は、ぜひとも、書物を見開きで複写できる機械を購入して下さい--非常に役立ちます [ 「佐藤正美の問わず語り」 222ページ 参照 ]。この点を教わった書物が、「教師のための 情報整理術」 (佐々木俊幸、明治図書) でした。

 あなたの仕事は、書物を読むことであって、書物を整理することではない点を つねに注意していて下さい。そうしないと、うっかりすれば、「整理のための整理」 に陥ってしまうので。コピー 機の使いかたは、極めて単純な情報整理ですが、とても役立ちます。

 




 

 ▼ 書斎術

 ● ヒ゛シ゛ネスエキスハ゜ート 情報書斎術、小石雄一、日本経済新聞社(★)

 ● 知的書斎のつくりかた、小石雄一、PHP

 ● パソコン 書斎術、長崎快宏、PHP

 ● 入門 書斎の技術、長崎快宏、大和出版

 ● マルチメテ゛ィア 版 情報の仕事術、山根一眞、日本経済新聞社

 ● マルチ 書斎術、三輪正弘、ごま書房

 



[ 読みかた ] (2006年 6月16日)

 書斎に関しては、かつて、「佐藤正美の問わず語り」 (258ページ) のなかで、「正しい書斎術などない」 ことや、自宅のなかに 1つの独立した部屋を陣取ることをしないでも 「1つの隠れ場所」 があれば良いことを述べました。実は、私は、「うさぎ箱」 の拙宅のなかで、みずからの書斎を陣取っていて、そのために、愚息たち (3人) は、かれらの部屋として、ほかの 1つの部屋に押し込まれて--愚息たちの一人ひとりが独立した部屋を持てるほど広い アパート ではないので--かれらは、その 1つの部屋を共有している悲惨な状態になっています (1つの部屋を共有するのは room-mate 制だと私は愚息たちに言い訳しています--笑)。

 学習・研究を進めやすいように書物・備品を配置した部屋は、見栄えの良い部屋にならないようです。私の書斎は (住宅販売用の) 「モデル・ルーム」 の写真に出ているような美しい書斎とは程遠い (笑)。みずからの書斎は、仕事の舞台ウラなので、写真撮影して公にするほどの厚かましさは私にはないですが、見栄えは悪い。書斎の使命は、仕事がやりやすいことであって、他人に披露する物じゃないでしょうね。

 机は、思考を集中できるように、壁に面して置いて、机の右横には (つねに参照する書物を収めた) 本棚を置いて、机の左側には、辞典類を収めた ノート・パソコン をふくめて 3台の ノート・パソコン を置いています。さらに、机の後ろにも、ときどきに参照する書物を収めた本棚を置いています。書斎の ドア を開けたら、いきなり、本棚の背が目に入るという配置になってしまいました。欲を言えば、ホワイトボード を 1台 搬入したい。見栄えは悪いけれど、私には、学習・研究を進めるうえで、気持ちの良い部屋になっています。この部屋で、私は、朝から夜まで、終日、机に向かって仕事をしていても厭にならない。朝起きて--たとえば、4:00とか 5:00に起きて、目覚めの コーヒー を入れて--すぐさま、書斎の机に向かいます。

 書斎術に関しては、まず、思考を集中できる環境にすることが第一義でしょうね。自宅のなかで書斎を持つことができれば幸いですが--そのためには、私は家族に犠牲を強いていますが--、それができなくても、「問わず語り」 のなかで綴ったように、「1つの隠れ場所」--喫茶店の片隅とか図書館とか--を活用すれば良いでしょう。さしずめ、現代では、ノート・パソコン と携帯電話があれば、どこでも書斎にすることができるから。

 




 

 ▼ エチケット、マナー

 ● 英語人種の エチケット 教本、板坂 元、ワニ の本(★)

 ● エグゼクティブ の マナー、藤田桂子、産能大学出版部

 



[ 読みかた ] (2006年 6月16日)

 食事の マナー を、まず、体得して下さい。こればかりは、一時的に取り繕うことができないから。欧米の一流企業では、executive になる審査の 1つとして、executive 候補は夫婦で食事に招かれて作法を観られるそうですし、日本でも、故・本田宗一郎氏は、取締役になる審査の 1つとして食事作法を観ていらっしゃったそうです。食事作法には、「躾け」 が、そのまま、現れますから。

 食事作法といっても、いっしょに食事している相手を不愉快にしないことを配慮していれば良いのであって--たとえば、口のなかに食べ物を入れたまましゃべらないとか、食べ物を噛みこなすときや スープ を飲むときに音を立てないとか、顔を皿のほうに下げて犬ような恰好をして食べないとか、もし、隣で食事している人がいたら、その人の眼の前を横切って手を伸ばして調味料を取らないとか、極々 当たり前のことを配慮していれば良いのであって--、注意していなければならない点は、なんらかの理由で、途中、席を立つ際の フォーク・ナイフの収めかたやナプキンの置きかたでしょうね。また、スープ を飲んで、口のまわりが汚れたときに、汚れを さりげなく拭う ナプキン の使いかたも覚えて下さい。
 食事作法は、たとえ、作法の文献に示されていることが順守されていても、自然な振る舞いでなければ、かえって、見苦しいですね。

 服装に関しては、かつて、「問わず語り」 のなかで述べました (214ページ 参照)。私は、ふだん、仕事するときでも、気心の知れたあいだがらであれば--そして、スーツ の着用が規則になっていなければ--、たいがい、ラフ な カジアルウェア で通していますが--ときどき (特に、冬には)、作務衣で仕事することもありますが--、講演などの フォーマル な席上では、「問わず語り」 で綴った身だしなみにしています。

 スーツ であれ、カジアルウェア であれ、着用している服を感じさせない--どのような服を着ていたかを 相手が気にとめないほど--強烈な 「存在感」 を示すのが プロフェッショナル な職業人だと思います。

 




 

 ▼ 人生論

 ● Letters of a businessman to his son, G. Kingsley Ward, YOHAN(★)
  [ 邦訳 ] わが息子よ、君は どう生きるか、竹内 均 訳

 ● ゲーテ との対話、エッカーマン 著、山下肇 訳、岩波文庫(★)

 ● 私の生活技術、アント゛レ・モーロワ 著、中山真彦 訳、講談社(★)

 ● 精神と情熱に関する81章、アラン 著、小林秀雄 訳、東京創元社(★)

 ● 人生後半のための知的紳士学、板坂 元、PHP文庫

 ● 人生後半のための知的生きがい入門、板坂 元、PHP文庫

 ● 人生後半のための知的生活入門、板坂 元、PHP文庫

 ● 人生後半のための優雅な生き方、板坂 元、PHP文庫

 ● 板坂 元 の 「知的生活」 事典、板坂 元、PHP

 



[ 読みかた ] (2006年 6月16日)

 人生論の書物は、生きかたを テーマ としていて、読書法や マナー のような規則がないので、みずからの相性に合う著作を選んで読んで下さい。私が人生論として読んでいる書物は、ここに記載した書物ではなくて、ウィトゲンシュタイン 氏・道元禅師・澤木興道老師・亀井勝一郎氏 の著作です。ここに記載した書物は、人生論と云うよりも、「生活の過ごしかた」 と言ったほうが正確かもしれないですね。ここに掲載した書物から私は多くのことを学びました。
 私は、金銭的に貧乏ですが、精神的に 「みすぼらしい」 生活を送りたくないと思っています。

 




 

 ▼ 独立開業のために

 ● 秘伝 起業家、ウィルソン・ハーレル 著、CES・起業家育成チーム 訳、一世出版

 ● SOHO 仕事術、伊藤友八郎・佐々木直彦、PHP

 



[ 読みかた ] (2006年 6月16日)

 音楽を喩えにすれば、オーケストラ の一員として演奏しても良いし、ソリスト として舞台に立っても良い。どちらのやりかたに向いているか は、たぶんに、気質の論点でしょうね。ただ、独立開業しても、「仕事を獲得するために (あるいは、日銭を稼ぐために)」 奔走して、仕事の本来の意義を忘れるようなら、独立しないほうが良いでしょう。仕事のなかで自己を建設することが仕事の意義なのだから。

 私は、ここに記載した 2冊を 独立したあとで読みました (笑)。「秘伝 起業家」 (ウィルソン・ハーレル) は、独立する心得えを述べていて、「SOHO 仕事術」 (伊藤友八郎・佐々木直彦、PHP) は、独立の しかた を具体的に記しています。いずれも、お薦めできる書物です。ただし、独立する意志がないのに、これらの書物を読んで、独立したい気になっても、独立しないように (笑)。

 独立する第一の前提条件は、いま得ている収入の 2倍以上を稼ぐ契約を高い比率で すでに持っているかどうかという点です。独立したあとで プロスペクト を探し回るようでは辛い戦いになってしまいます。会社を作ることは簡単ですが、独立して、10年以上、会社を継続することは難しい。

 




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