2003年 7月16日 プロジェクト と チーム (同時編成) >> 目次 (作成日順)
  ● QUESTION   いくつかの チーム が プロジェクト と同時に編成されるが、どのように扱えばよいか。
  ▼ ANSWER   「HDR-DTL」 として記述すればよい。
2008年 8月 1日 補遺  



 以下の データ 構成を前提にする。

 事業所
 {事業所 コード、事業所名称、・・・} [ R ]

 プロジェクト
 {プロジェクト 略称、プロジェクト 名称、編成日、・・・} [ R ]

 チーム
 {チーム 番号、チーム 名称、編成比率、解散日、・・・} [ R ]

 (1) 1 つの事業部のなかで複数の プロジェクト が編成される。
 (2) プロジェクト は、コード 化されておらず、略称を認知番号とする。
 (3) 1 つの プロジェクト に帰属する複数の チーム は プロジェクト の編成日に同時に編成される。
 (4) チーム のなかの編成比率は、プロジェクト に対して賦与された予算の割合とする。
 (5) チーム は、それぞれ、解散日が違う。

 
● チーム 編成を対照表を使って記述する

 事業所
 {事業所 コード、事業所名称、・・・} [ R ]

 プロジェクト
 {プロジェクト 略称、プロジェクト 名称、・・・} [ R ]
 {プロジェクト 略称 (R)、編成日} [ VE ]

 チーム
 {チーム 番号、チーム 名称、・・・} [ R ]
 {チーム 番号 (R)、解散日} [ VE ]

 事業所. プロジェクト. 対照表
 {事業所 コード (R)、プロジェクト 略称 (R)}

 プロジェクト. チーム. 対照表
 {プロジェクト 略称 (R)、チーム 番号 (R)、編成比率}

 一見、良さそうな構成ではあるが、問題点 (不適切な点) は、チーム の編成日が プロジェクト の編成日と同じである、という点が無視されている、という点にある。
 したがって、この構成は間違っている。

 
● チーム 編成を 「HDR-DTL」 として記述する

 事業所
 {事業所 コード、事業所名称、・・・} [ R ]

 事業所. プロジェクト. 対照表
 {事業所 コード (R)、プロジェクト 略称 (R)}

 プロジェクト HDR (プロジェクト 編成)
 {プロジェクト 略称、プロジェクト 名称、・・・}
 {プロジェクト 略称 (R)、編成日} [ VE ]

 プロジェクト DTL (チーム 編成)
 {プロジェクト 略称、チーム 番号、チーム 名称、編成比率、・・・}
 {プロジェクト 略称 (R)、チーム 番号 (R)、解散日} [ VE ]

 こちらの構成のほうが事実を記述している。

 



[ 補遺 ] (2008年 8月 1日)

 「いくつか (複数・多数) の個体」 (∃x) が 「同時に (共時的(synchronique)に)」 成立する、という現象であれば、直ぐに、MAND (多値の 「AND 関係」)──言い換えれば、「HDR-DTL」 構成──が思い浮かぶでしょう。

 「HDR-DTL」 構成は、「event (occasion、case)」 の構成のなかで起こることが多いのですが、本 エッセー で示したように、「resource (subject)」 の構成のなかでも成立します。「HDR-DTL」 という言いかたが 「event」 の構成を連想することが多いので、TM では、(「HDR-DTL」 という言いかたを、できるだけ使わないようにして、) 「多値の 『AND 関係』」 と言うようにしています。「多値の 『AND』 関係」 は、「合成関数」 です。

 「多値」 には、「OR 関係」 と 「AND 関係」 のふたつの現象が起こります。
 「OR 関係」 は、たとえば、商品単価が ふたつ (正単価と割引単価) があって、いずれかが 「排他的に」 成立する現象です。いっぽう、「AND 関係」 は、ひとつの項が複数・多数の値をもっていて、かつ、それらが 「同時に (共時的に)」 成立する現象です。言い換えれば、「多値の 『OR 関係』」 は、ひとつの関数のなかで、或る項の値が多値になっているのですが、「多値の 『AND 関係』」 は、ふたつの関数の 「合成関数」 として考えたほうが理解しやすいでしょうね──あるいは、「多値の 『AND 関係』」 を 「ファンクター」 (関数の クラス) として考えたほうが理解しやすいでしょうね。したがって、同じ 「多値」 現象 (多値関数) といっても、「OR 関係」 と 「AND 関係」 では、「意味論上」、「構成」 が一見して見て取れるようになっていなければならない。TM では、「OR 関係」 を MOR として、「AND 関係」 を MAND として、「構成上」、意味を一見して理解できるようにしています。




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