2004年 6月 1日 登録日・更新日 >> 目次 (作成日順)
  ● QUESTION   登録日・更新日は、「event」 を形成する 「DATE」 か。
  ▼ ANSWER   ちがう。
2009年 6月16日 補遺  



 データ 構造として記述される対象は 「すべて」 登録される。そして、そのなかのいくつかは更新される。
 「監査証跡」 として、データ を登録する際、登録日を記述し、データ を更新する際、更新日を記述することが多い。

 データ 構造として記述される対象は、登録されてから、形式的構造を付与される。登録された データ の性質を判断して、構造が作られる。そして、登録された データ の性質として記述されている 「DATE (取引日)」──たとえば、受注日、出荷日、請求日など──が、構造を作る判断材料になるのであって、データ の登録日が構造を作る判断材料ではない。

 T字形 ER手法がいう (「event」 の判断規準たる) 「DATE」 は、事業過程のなかで起こった出来事 (事態) を対象にして記述された日付であって、データ の登録日ではない。

 もし、登録日・更新日を、T字形 ER手法がいう 「DATE」 と判断するなら、当然ながら、「登録」 および 「更新」 という 「event」 が生成されることになる。しかも、「登録」 および 「更新」 に対して、コード 体系のなかでは、単独の認知番号を付与しているとは思えないので、「登録日」 および 「更新日」 を、「すべて」 の データ に対して付与しても、いずれも、VE 扱いになる。データ の登録日・更新日は、T字形 ER手法がいう 「DATE」 ではない。

 ただし、もし、(「事業を対象にした」 データ 構造を記述するのではなくて、) IRM (Information Resource Management、情報資源管理) 用の ER図を作成するのであれば、登録日・更新日は、以下のように、「event」 を生成する 「DATE」 になる。

 プログラム
 {プログラム ID、プログラム 名称、・・・}.

 プログラマ
 {プログラマ ID、プログラマ 名称、・・・}.

 プログラム. プログラマ. 対照表 [ 登録 (あるいは、更新) ]
 {プログラム ID (R)、プログラマ ID (R)、登録日 (あるいは、作成日とか更新日)、・・・}.

 



[ 補遺 ] (2009年 6月16日)

 T字形 ER手法の改良版 TM では、モデル の構成要件を以下のように定義しています。

    合意された語い → L-真の構成 → F-真の験証

 この 「F-真の験証」 で使われる条件が (数学および言語哲学では、) 「真理条件」 と云われています。TM が前提にしている 「真理条件」 は、以下の 「T-文 (規約 T)」 です。

    言明 「p」 が真であるのは、時刻 t において、事態 p と一致したとき、そして、そのときに限る。

 したがって、TM 上、「DATE」 というのは、事態が起こった日付です。
 さらに、F-真を験証するという前提であれば、その日付は 「過去形 (実際に事態が起こった日付)」 であることも簡単に わかるでしょう。したがって、「将来日 (あるいは、計画日)」 は、F-真を問うことができないので、あくまで、ふつうの データ 項目の ひとつにすぎない──言い換えれば、「将来日 (あるいは、計画日)」 は、「event」 を構成する日付ではない、ということ。





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