2004年 8月 1日 対照表のなかの適用日 >> 目次 (作成日順)
  ● QUESTION   バリデーション・ルールの対照表のなかに、適用日をもってよいか。
  ▼ ANSWER   よい。
2009年 8月16日 補遺  



 「将来の日を示す」 有効日・適用日は、T字形 ER手法が定義している (「event」 を判断するための) 「DATE (取引日)」 ではないことを、以前、述べた (221 ページ参照)。そして、「event」 は、「(時間軸のなかで、) 生起する現実的な事象」 なので、「将来の日を示す」 有効日・適用日が、内的性質として帰属することは、まず、ない。

 対照表の内的性質として、「DATE (歴史的な事実としての取引日)」 が帰属すれば、対照表は 「event」 として作用する。逆に言えば、「将来の日を示す」 有効日・適用日が内的性質として帰属する対照表は、「event」 ではない──したがって、バリデーション・ルール を示す対照表である。

 「再帰」 が、適用日を、内的性質としてもつことがあり得ることは、以前、述べた (221 ページ)。「有効日・適用日」 は、以下に示すように、多義であって、(取引が計画されている) 将来日の意味にもなるし、実際に事象が起こった 「DATE (取引日)」 の意味にもなる。

      「部品. 部品. 再帰」 { 部品番号 (R)、部品番号 (R)、適用日 }.

 もし、この適用日が、設計変更の起こる将来的な有効日 (あるいは、代替部品を適用するための将来的な有効日) であれば、実際に生起した 「適用」 という事象を記録した 「event」 ではなくて、バリデーション・ルール 用の対照表 (「再帰」) である。
 ただ、この対照表 (「再帰」) は、(部品交換という事象が、適用される将来的な適用日に、かならず、起こることを前提にして、) 時間軸のなかで、適用日が、すでに、過去になれば、「event」 としての記録を兼用することもある。

 もし、この適用日が、部品交換の生起した日であれば、この対照表 (「再帰」) は、「event」 である。

 



[ 補遺 ] (2009年 8月16日)

 TM (T字形 ER手法の改良版) は、「(事実的な) F-真」 を重視しています。すなわち、entity を前提にして、文法に従って構成された構造が 「現実的事態」 を指示しているかどうか、という点を 「(意味論的な) 完全性」 の実現として重視しています。そのために、文法に従って構成された構造は、以下の 「T-文」 (真理条件、規約 T とも云いますが) で テスト されます。

  言明 「p」 が 「真」 であるのは、時刻 t において、事態 p と一致したとき、そして、そのときに限る。

 つまり、文法に従って構成された構造は、「事態」──現実に起こった事態──かどうかを問われます。その テスト では、「T-文」 の 「時刻 t」 は、当然ながら、「過去の日付」 です。「将来日」 は、あくまで、計画された日であって、「事実」 として生じた日ではないので、「T-文」 の テスト の対象にならず、「将来日」 は、TM では、(event を構成する) 「日付」 ではなくて、データ 項目の ひとつ として扱われます。





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