2006年 1月16日 作成 資料をあつめる (the Web) >> 目次 (作成日順)
2011年 1月 1日 補遺  


 
 TH さん、きょうは、「資料をあつめる (the Web)」 について考えてみましょう。

 
 The Internet (インターネット) が普及して 10年ほどになりました。10年前と比べて、膨大な量の情報が the Web (ウェブ) 上に掲載されています。それらの情報は、玉石混交です。書物を愛する人たちは、ウェブ 上の情報を軽視するきらいがあるようですが、ウェブ には、(書物には記載されていないような) 役立つ情報も豊富に記載されています。私は、この随筆で、書物として公にされた情報と ウェブ のなかで記載されている情報を比較するつもりはないのであって、現代のように、ウェブ の情報が簡単に入手できるのであれば、資料をあつめる際には、まず、ウェブ 上を検索することを お薦めします。

 先日、小生の愚息 (三男、小学 4年生) が、学校の宿題として、「入間川にいる魚の生態」 について調べることになりました。入間川というのは、小生が住んでいる地域 (埼玉県狭山市) を流れている河です。愚息といっしょに、ウェブ を調べたら、「入間川に棲息する魚」 という極めて local な (地元の) 情報であっても、いくつかの情報を入手することができました。さらに、愚息は、翌日、図書館に出向いて、魚に関する書物を借りてきて、調べていました。

 去る 11月に、私は、或る企業の社員教育として、財務管理を担当したのですが、セミナー の資料として、財務分析の具体的な資料をあつめなければならなかった。もし、私が TH さんのように財務分析の専門家であれば、そういう資料をいくつか所蔵していたかもしれないのですが、それでも、数多い企業の資料を所蔵することはできないでしょうし、私の本職は データベース・エンジニア ですから、財務分析の具体的な資料を、年次ごとに所蔵している訳ではないので、セミナー 用に資料をあつめなければならなかった。

 財務分析の資料は、ウェブ 上、キーワード 検索すれば、簡単に入手でしました──上場企業ごとに、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー 計算書は、過去 5年の比較表を入手できますし、さらに、株価の推移や、売上利益率・財務状態・投資効率・経営効率の財務分析表を入手できます。もっと詳細な財務分析資料を入手するためには、そういう サービス を事業にしている機関の会員登録をしなければならないのですが──しかも、有料ですが──専門家向けではない・社員教育として、財務管理のしくみを説明するためには、基本的な財務分析数値があれば良いので、ウェブ 上の無料で公開されている財務分析の数値は役立ちました。
 一昔前であれば、財務分析の数値は、有価証券報告書を入手して、みずから、電卓を使って計算するか──ちなみに、私が大学院生の頃 (1977年頃)、電卓は出始たばかりで、電卓の桁数は 8 桁で、値段は1万円程しましたが──、あるいは、財務分析を専門にしている機関と契約して入手するしかなかったのですが、いつでも (深夜でも) 無料で簡単に入手できる時代になったのは、便利な時代だと思います。

 ウェブ の情報量に驚いた他の例を言えば、「8マン (エイトマン)」 (私が子どもの頃──40年ほど前──に人気があった漫画) を ググ ったら、なんと、85,000件以上の ページ が ウェブ 上に記載されていましたし、エイトマン の画像も掲載されている ページ がありました──ただし、画像の掲載は著作権違反ではないか、、、。

 Webster 氏は、本格的な英語辞典を作った祖なので、Webster の呼称を付した英語辞典が多いのですが、英語の口語では、「辞典を調べる」 ことを 「consult Webster」 と言いかたもします──"We use Webster (in America) colloquially as synonymous with dictionary" See. OED.
 Webster の綴りのなかには、Web があるので、さしずめ、現代では、ウェブ を使って調べることを 「consult the Web」 というふうに言っても良いのではないでしょうか。「調べたいことがあれば、まず、ウェブ を アクセス する」 ことを習慣すれば良いでしょう。CD-ROM 版の百科事典・CD-ROM 版の類語辞典 (類語辞典は、紙の書物であっても良いですが) を使って、ウェブ を検索すれば、調べている対象のほかにも、関連情報をふくめて、多量の情報を入手することができるでしょう。



[ 読みかた ] (2011年 1月 1日)

 取り立てて補足説明はいらないでしょう。

 最近、「情報漏洩」 として、YouTube に アップロード された 「尖閣島の中国漁船体当たり」 ビデオ や WikiLeaks が リーク (leak) した米国外交秘密文書が話題になりましたが、良い意味でも悪い意味でも、わずか 10数年のあいだに、The Internet および The Web は情報伝達として強力な手段になりましたね。一頃謂われた Netizen などという ことば が、もう色褪せてしまいました。

 1980年代の終わり頃──いまだ、パソコン が普及していなかった頃──私の上司であった ビル・トッテン 氏が 「これからの時代は、パソコン が鉛筆・消し ゴム の代わりになって、『一人一台』 の時代になる」 とおっしゃっていらしたことが隔世の感を覚えます。尤も、十年一昔という言いかたがありますし──したがって、当時と今では、二昔になるでしょうし──、ましてや dog's year という ことば で語られる テクノロジー の領域では、新しい技術が生まれて マーケット が その便益を認めれば、普及は速い。ただ、日本人が dog's year を言うときに、ye と e のちがいを発音できないので、私は dog's year を或る日本人から最初に聞いたときに dog's-eared というふうに聞こえて チンプンカンプン になりました。

 私は The Internet および The web の ヘビー・ユーザ です。勿論、紙形式の書物も愛用しています。





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  佐藤正美の問わず語り