● TM の最新 バージョン (TM1.2 このウインドウを閉じる



 TM (T字形 ER手法の改良版) は、実地の使用のなかで験証を続けて、かつ、数学・ロジック (論理学)・哲学の観点から検証を続けているので、改良を施してきています。そのために、現時点での体系 (最新の体系) を知りたいという要望が多いので、本 ホームページ で、TM の最新 バージョン を記すことにしました。TM を見直した折りに、そのつど、新しい バージョン を示していきます。

  TM1.2 (2010-10-16)

   次の説明法を変更しました。

   - 抽象 データ 型 モデル

  TM1.1 (2009-09-21)

   次の説明法を変更しました。

   - 関係の文法
   - 対照表の性質
   - 集合的と周延的 (セット と サブセット)

  TM1.0 (2009-01-23)

   「赤本」 「いざない」 のなかに記述されている体系を バージョン 1.0 とします。

 
  → 「抽象 データ 型 モデル」 の説明資料 ダウンロード

  → TM1.1 の説明資料 ダウンロード

 

 ★ 本 ページ の説明は、TM の技術を知っている エンジニア 向けなので、TM を初めて学ぶ人は以下の
  ページ を読んで下さい。

  → 事業過程・管理過程の正確な分析

  → 事業解析法・データベース 設計法

  → システム の短期導入

 


▼ TM の モデル 観


 TM は、事業過程・管理過程を モデル 化する一般手続きである。
 TM は、次の 2点を実現するために使う一般手続きである。

 (1 ) 事業過程・管理過程を 「正確に」 記述する
   (現実的事態に対して形式的構成 [ モデル ] を作る)。
 (2 ) モデル に対して以下の 2点を調査して、改善案 (ソリューション) を考える。

   (2 )-1 「モデル (すなわち、事業過程・管理過程)」 そのもの-の強み・弱み
   (2 )-2 「モデル (すなわち、事業過程・管理過程)」 の環境に対する適応力

 事業過程・管理過程は、数十年にわたって、歴代の経営者たち・エンドユーザ たちが工夫をこらしてきて、事業のなかで伝達されている 「情報 (データ)」 には、さまざまな 「(事業上の) 制約・束縛」 が 網の目のように張りめぐらされてきている。「制約・束縛」 は、──良い意味でも悪い意味でも──その事業の特徴点である。「事業過程・管理過程を 『正確に』 記述する」 ためには、以下の 2点を守らなければならない。

 (1 ) ユーザ が実際に使っている言語を変形してはいけない。
 (2 ) 現実的事態に対して、できるかぎり機械的に 「形式的構成」 を与える。

 「現実的事態に対する解釈」 は、すでに、ユーザ が事業過程・管理過程のなかでおこなっている。システム・エンジニア は、現実的事態に対して、みずからの恣意的な 「解釈」 を避けて、ロジック に従って、現実的事態に対する形式的構成 (モデル) を作らなければならない。ユーザ の言語を変形しないで、現実的事態に対して、できるかぎり機械的に形式的構成を与えるためには、モデル は、以下の 2点を示さなければならない。

 (1 ) 生成規則 (「構成」 を作るための文法)
 (2 ) 指示規則 (「構成」 された対象が 「真」 であることを験証する規則)

 以上を、図で示せば以下のように まとめることができる。

                  (F-真)
  ┌──────────────────────────────────┐
  │                                  │
  │         ┌───────┐                │
  │         │       │                │
  │        ─┘       └─               ↓
  y (形式的構造) ←    f    ← x (語彙) ← 「情報」 ← 現実的事態
           ─┐ (L-真)  ┌─
            │       │
            └───────┘

 すなわち、モデル というのは、事業過程・管理過程に関与している人たちが 「合意して」 伝えている情報に対して、ロジック を使って 「形式的構成」 を与えて、その 「形式的構成」 が現実的事態と対比したときに、実際に起こった できごと であることを験証する手続きである。なお、「真」 概念には、以下の ふたつがある。

 (1 ) 生成規則 (論理法則) に従って生成された 「無矛盾な」 構成を保証する 「L-真」
 (2 ) 形式的構造が現実的事態と一致していることを保証する 「F-真」

 

▼ TM の構成


 TM は、以下の ふたつ (言語と記法) で構成されている。

 (1TML (TM Language )
 (2TMD (TM Diagram )

 「T字形」 記法が TM であるような謬見を抱かれないように、「(モデル を作る) 言語」 と 「(モデル を可視化する) 記法」 を べつべつにした (変更点)。

 

▼ TML の構成


 TML は、言語 (経験論的な言語 L) として、以下の ふたつで構成されている。

 (1 ) 語彙
 (2 ) 文法

 

▼ TML の語彙


 TML の語彙は、以下の ふたつで構成されている(「赤本」 22ページ 参照)。

 (1 ) ロジック の語彙 (AND, OR, NOT, IF, セット 概念・クラス 概念)
 (2 ) 観察述語 (ユーザ が実際に使っている単語)

 

▼ TML の文法


 TML の文法は、以下の 5つで構成されている (「赤本」 48ページ 参照)。

 (1 ) 個体の認知
 (2 ) 個体の性質・関係の性質
 (3 ) 関係の文法
 (4 ) データ の周延
 (5 ) データ の多値 (MOR, MAND

 (1 )、(2 ) および (3 ) は、「赤本」 では、それぞれ、「データの」 と記されているが、「個体」 および 「関係」 という言いかたに変更した。

  [ 赤本の用語法 ]  [ TM1.0の用語法 ]

   データ の認知 → 個体の認知
   データ の種類 → 個体の性質・関係の性質
   データ の関係 → 関係の文法

 というのは、(1 )、(2 ) および (3 ) は、「言語の形態論」 の観点に立って 「情報 (画面、帳票など)」 のなかで、「ことば」 の使用法 (「意味」 の構成法) を記述することを主眼としているので。いっぽう、(4 ) および (5 ) は、「意味」 の構成が、データベース の観点に立って 「セット (集合)」 として妥当かどうかを検証しているので、「データ」 という用語を使っている。

 以上の文法の他に、「みなし概念」 (クラス 概念) を導入することもある。「みなし」 概念を導入した体系を 「TM’(TM プライム、あるいは TM ダッシュ)」 と云う。「みなし概念」 には、以下の 2つがある。

 (1 ) みなし entity
 (2 ) みなし スーパーセット

 

▼ 「個体 (entity)」 概念


 「entity」 と 「eventresource 」 は、TML では、以下のように定義されている。

 (1entity である =Df 個体指示子が付与されている管理対象である。
 (2event である =Df 「性質」 として、日付 (取引日) が帰属する entity である。
 (3resource である =Dfevent 」 以外の entity (「event 」 の補集合) である。

 
 「個体指定子 (entity-setter)」 を、従来、「認知番号」 とか identifier とか謂っていたが、「個体指定子」 として統一する。また、「eventresource 」 という言いかたを、今後、正式には、以下のように変更する。

 (1 ) 「event 」 という呼称を 「case (事態)」 という用語に変更する。
 ( ) 「resource 」 という呼称を 「subject (主体)」 という用語に変更する。

 
 「subject (主体)」 という言いかたは、「case (事態)」 に関与するということ。
 ちなみに、「case (事態)」 に関しては、認知番号を付与されて entity として生成された状態が 「occasion 」 で、「subject (主体)」 が関与するか、あるいは、他の 「occasion 」 と関係があるときに、「case (事態)」 と よぶのが正確かもしれない。

 ただ、「eventresource 」 という言いかたが、世間では、そうとうに流通しているので、今後も、「eventresource 」 を俗称として認めるが、TML では、正式には、「casesubject 」 とする。

 なお、「entity 」 を前提にして、文法に従って構成された対象 (「L-真」 の対象) のなかで、「『F-真』 を実現している対象は 『オブジェクト [ 集合 オブジェクト (unordered pair あるいは [ 組 オブジェクト (ordered pair」] とする」 ことは、従来どおりに継承する。
(「赤本」 216ページ 参照)

 

▼ 関係の文法


 「構成する」 とは 「並べる」 ということである。したがって、entity に対して、「順序 (全順序および半順序)」 の文法を適用する。なお、entity のあいだの関係は、2項関係を基本形とする。

 (1 ) 全順序で並ぶ集合に対する文法 [ 大小 ≦ の線形順序で並ぶ ]
 (2 ) 半順序で並ぶ集合に対する文法 [ なんらかの順序で並ぶ (アルファベット 順とか) ]
 (3 ) 全順序の集合と半順序の集合のあいだの文法
 (4 ) 再帰

 具体的な文法は、以下のとおり。

 (1 )「eventcase )」 には全順序の文法 [ 先行・後続 関係、対応表 ] を適用する。
 (2 ) 「resourcesubject )」には半順序の文法 [ 和集合 ] を適用する。
     (直積集合に対して、性質 f (x) [ 日付 ] が付与できるのであれば、F-真を問う。)
 (3 ) 全順序と半順序のあいだの写像関係 → 「resource 」 が 「event 」 に関与する (侵入する)。
 (4 ) ひとつの集合から幾つかの メンバー を選んで並べる文法として、「再帰」 構成を適用する。

 なお、「対照表 (和集合)」 に対して、その集合の性質として、T之字の右上隅に 「L」 か 「F」 を記述する──「L」 は 「L-真」 で、「F」 は 「F-真」 のこと。たとえば、以下のように。

 [ F-真の場合 ]


 ┌─────────────────┐     ┌─────────────────┐
 │       従業員      R│     │       部 門      R│
 ├────────┬────────┤     ├────────┬────────┤
 │従業員番号   │従業員名称   │     │部門コード   │部門名称    │
 │        │        │>─○─┼┤        │        │
 │        │        │  │  │        │        │
 │        │        │  │  │        │        │
 │        │        │  │  │         │        │
 └────────┴────────┘  │  └────────┴────────┘
                      │
                      │
             ┌────────┴────────┐
             │   従業員. 部門. 対照表   │
             ├────────┬────────┤
             │従業員番号(R)  │        │
             │部門コード(R)  │        │
             │        │        │
             └────────┴────────┘

 
 [ L-真の場合 ]



 ┌─────────────────┐     ┌─────────────────┐
 │       商 品      R│     │       分 類      R│
 ├────────┬────────┤     ├────────┬────────┤
 │商品コード   │商品名称    │     │分類コード   │分類名称    │
 │        │        │>─○─┼┤        │        │
 │        │        │  │  │        │        │
 │        │        │  │  │        │        │
 │        │        │  │  │         │        │
 └────────┴────────┘  │  └────────┴────────┘
                      │
                      │
             ┌────────┴────────┐
             │    分類. 商品. 対照表   │
             ├────────┬────────┤
             │分類コード(R)  │        │
             │商品コード(R)  │        │
             │        │        │
             └────────┴────────┘

 

▼ 集合的と周延的 (セット と サブセット)


 Entity 概念は、正しい集合 (数学の セット 概念、データベース のテーブル) にはなっていない。そのために entity 概念を セット 概念に翻訳しなければならない。

 サブセット (真部分集合) は、従来、「分割・細分」 を使って説明していたが、今後、「切断」 概念を使う。

 

▼ 多値関数


 多値には 「OR 関係」 と 「AND 関係」 がある。「AND 関係」 の多値関数の典型が one-header-many-details 構造である。この構造は 「合成関数」 として説明できるが、クラス 概念の ファンクター を使って説明したほうが簡単である。TM では、ファンクター を使って多値の 「AND 関係」 を説明している。

 

▼ クラス 概念 (「みなし」 概念)


 セット のあいだの交わりを検証するために クラス 概念を使う。すなわち、entity 概念は、セット および クラス で整えなければ正しい形式的構造にはならない。

 

▼ TM の補助 ドキュメント


 モデル は、以下の 2点を実現していなければならない。

 (1 ) 妥当な構造
 (2 ) 真とされる値

 「妥当な構造」 を作るのは 「論理法則」 であるが、「真とされる値」 を実現するのは 「(事業を営むうえでの) 制約・束縛 [ constraints ]」 である。
 TM は、あくまで、現実的事態 (事業過程・管理過程) に対して形式的構成 (妥当な構造) を与える手続きにすぎない。TM を補助する ドキュメント として以下の 4つが用意されている。

 (1 ) 「関係」 の検証表 (「関係」 の網羅性を調べる マトリックス)
 (2 ) アトリビュート・リスト (「制約・束縛」 の網羅性を調べる リスト)
 (3 ) キー (index-keys) の定義表 (効果的・効率的な アクセス を実現する キー の リスト)
 (4 ) アルゴリズム の指図書 (プログラム 作成の スペック)



  このウインドウを閉じる