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2010年 9月 1日 補遺  

 

 サブセット は、以下の 2種類として細分化される。

  (1) 「同一の」 サブセット
  (2) 「相違の」 サブセット

 
 「相違」 の サブセット を作った理由は、「null」 を回避するためであった。

 サブセット の概念は、数学的な 「分割 (partition)・細分 (refinement)」 概念の応用なので、理論的な観点から言えば、数学的な 「分割・細分」 概念を言及しておいたほうが良かったかもしれない (本 ホームページ 432ページ 参照)。

 (事業の) 管理過程では、サブセット を認知する 「合意」 概念として、「区分 コード」 が使われる。
 ただ、やっかいな点は、「区分 コード」 に似た概念として、「種別 コード」 がある。

 数学的な クラス 概念 (「類」 概念──分割・細分を前提にした概念) とはべつに、概念的に、階層的な構造を示す際にも、クラス 概念が使われている。概念的な階層構成では、上位階を 「類」 といい、下位階を 「種」 という。「種」 を示すために導入された コード が、「種別 コード」 である。

 以上に述べた 2種類の 「類」 概念 (数学的な 「類」概念と、階層構造的な 「類」 概念) が混成されて、コード 体系では、サブセット を指示する コード として、「区分 コード」 と 「種別 コード」 が混ざって使用されているのかもしれない。ただ、それらの成立土壌を鑑みれば、「種別 コード」 は、VE (みなし entity) になることが多い。

 「黒本」 37 ページ の 「支所・特約店 種別 コード」 は、正確に言えば、VE として扱わなければならない。 □

 



[ 補遺 ] (2010年 9月 1日)

 サブセット は、部分集合です。サブセット を説明するときに、従来、私は 「分割・細分」 を使っていましたが、最近 (ここ 2年ほど) 「切断」 を使うようにしています。「切断」 は、デデキント (数学者) が 「無理数」 を定義するときに使った技術です。データベース 設計では、「無理数」 を扱うことがないので、なんらかの 「集合」 があるという前提に立って 「切断」 を以下に説明します。

 ひとつの 「集合」 を次の 2つの条件によって 2つの組 S1 S2 に分けることを 「切断」 と云います。

 (1) S1 S2 は、いずれも、少なくとも 1つの メンバー をふくんでいる。

 (2) S1 に属する メンバー は、S2 に属する どの メンバー よりも小さい。

 そして、S1 を 「切断」 の下級 (あるいは、下組) と云い、S2 を上級 (あるいは、上組) と云います。ここでは、「集合」 の メンバー に対して、全順序 (大小の関係) を適用している点に注意していてください。事業過程における データ を対象にした場合には、かならずしも、全順序が適用できる訳でもないのですが、「区分 コード」 を前提にして、「切断」 を適用することができます。たとえば、「従業員」 の集合において、{ 従業員番号、従業員名称、従業員区分 コード、・・・ } という構成があれば、もし、従業員区分 コード の値が 「1」 は 「正社員」 で 「2」 が 「パート」 であれば、従業員区分 コード を使って、「従業員」 の集合を 「正社員」 と 「パート」 との部分集合に切断することができます。

 ここで論点になるのは、ひとつの集合において 区分 コード が 2つ以上導入されている場合です。すなわち、「切断」 のなかで、「階」 が生じる場合です。この点については、「応用編-12」 で説明します。





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