2019年 9月 1日 「4.3.4 性質、クラス および セット」 を読む >> 目次に もどる


 セット (集合) と クラス は、数学上、公理系がちがうので、勿論 違う概念です──セット は ZF (ツェルメロ 氏と フレンケル 氏) の公理系を前提にした概念ですが、クラス は BG (ベルナイス 氏と ゲーデル 氏) の公理系を前提にした概念です。ただ、ZF で証明される論理式は BG で証明されるし、BG で証明される論理式は ZF で証明されるそうです (私は、数学基礎論を学習しましたが数学者ではないので、自分自身で このことを証明していない、この文は数学者の言うことを そのまま引用しています)。

 事業分析・データ 設計のための モデル 技術を指導する セミナー では、私は セット と クラス について次のように指導しています──「実務的には、セット と クラス は同じと考えてよい」。
 その理由は次のとおり──

 (1) 事業分析を対象にすれば、(数学上の 「無限」 は考慮外となるので)、
   あらかじめ範囲が限定されて、クラス も セット と同じ扱いになる。

 (2) 外延が同じ モノ のあいだで、区別 (切断) を除外した セット を クラス と言ってもいい。
   逆に言えば、クラス は クラス の元 (メンバー、構成員) であるとき、セット である。

 ただ、項 f (x) において、f を 「性質」 とみなすことには私は若干の抵抗を感じる (「3.2 述語と性質」 を再読されたい)。そのために、私は、「性質」 という言いかたを避けて、「条件」 というふうに言っています。 □

 




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