2019年10月15日 「4.3.7 部分集合の包摂関係」 を読む >> 目次に もどる


 本節では、サブセット 間の階について述べています。サブセット 間の階については、「4.3.2 分割」 および 「4.3.3 細分」 で述べました。「分割・細分」 について、本節では いわゆる 「多重継承」 を述べています。

 「分割・細分」 は、本書 (「モデル への いざない」) を出版したあと、事業分析・データ 設計の モデル 技術 セミナー では私は説明しなくなった──「分割・細分」 の代わりに、「切断」 技術を説明しています。「切断」 は、デデキント 氏が実数を定義するときに使った技術です。「切断」 の技術的説明は、拙著 「論考」 の 93ページ を読んでください。「切断」 は、簡単に説明すると、有理数の集合 Q の 2つの サブセット (R1 と R2 とする) の対 (R1, R2) において、任意の有理数は R1 または R2 のいずれかにふくまれ、R1 の元は R2 の元よりも小さい [ 元は昇順に並んでいる a1≦a2≦・・・≦an] ということ──binary search (2分検索法) を考えれば わかりやすい。

 セット を 「切断」 して サブセット を生成する [ (R1 と R2 とする) ]、そして それらの サブセット を更に 「切断」 して サブセット を生成する [ ((R1.1 ∨ R1.2)∨(R2.1 ∨ R2.2))]、当然ながら、R1.1⊂R1、R1.2⊂R1、R2.1⊂R2、R2.2⊂R2 である。

 さて、この原則を事業分析の モデル 技術に応用すれば、「切断」 を判断するのは 「区分 コード」 であり [ 前節参照 ]、ひとつの entity には複数・多数の 「区分 コード」 が定義されている場合があるので、「切断」 が 「区分 コード」 の数に対応しておこなわれる──すなわち、「区分 コード」 の数と同じ階数が生ずる。それらの階では、階を下がるにつれて、当然、大きいものが次第に小さくなる──逆に言えば、上下の階を入れ替えることはできないということ。

 本節では、上下の階を入れ替えて、「意味」 が通じる例を扱っています──この現象が いわゆる 「多重継承」 と云われている。「切断」 の原則から云えば、上下の階を入れ替えて 「意味」 が通じるなら矛盾です。したがって、モデル 技術では それを認めていない──したがって、いずれかの 「区分 コード」 が当該 entity には帰属しない、ということ。 □

 




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