思想の花びら 2021年 2月15日


 ●  アラン (哲学者) のことば

  この病気から救ってくれるものは行動だ、不安と躊躇とは病勢を悪化する。手を下すことができず待っているというのがすでに苦痛だ、恐怖とは本来、これからなにをしたらよいかがわからずに待っていることにほかならぬ。しかし、この場合、こまごました、むずかしいが、よく心得た行為をあれこれとやって気がまえていれば、やがて心は落ち着く、(略)

 



 ●  亀井勝一郎 (批評家) のことば

  私はひまさへあれば古今の名人の言葉を読むことにしてゐる。私の最も尊敬する人物とは、どの道でもいゝ、そこで四十年も五十年も年期をいれた達人、つまり熟練者である。私はさういふ人の言葉を自分の座右の銘にしてゐる。(略)隠れたところに驚くべき達人がゐて、感動するやうな言葉を何げなく吐くものである。そしてさういふ人が日本の背骨であり、支柱であると私は思つてゐる。私は自分が文章をかくときも、これらの言葉を味ひつゝ、自分の技術のはげましとしてゐる。

 


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