思想の花びら 2023年10月 1日


 ●  アラン (哲学者) のことば

  礼拝の原則はいろいろな衝動を訓練して情熱や感動を静めるにある。祈りの態度とは、まさしく烈しい衝動はいっさい許さぬようにする態度だ。肺を充分に安静にして、あわせて心臓も安静に保とうとする態度だ。

 



 ●  亀井勝一郎 (批評家) のことば

  すべての宗教は、死に対して深刻な表情を与えた。人間の恐怖の中で決定的なのは死の恐怖にちがいない。それからまぬかれようとして宗教は祈りを教えた。ところが、モンテーニュ は死に対し、快楽的な表情さえ与えている。彼は何ものにも祈っていない。死を克服するために神を必要としなかった。これは彼の最大の特徴と云っていいだろう。(略) 観念的なもの、意識過剰、内省癖、これらすべては モンテーニュ にとって無縁である。死に対して憧れるわけでもなく、恐れるわけでもなく、人生に遊ぶように自然に遊んでいるといった風だ。

 


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