2003年 6月 1日 作成 「理論編第 2章 (フ゛ール 代数)」 を読む >> 目次に もどる
2006年 3月 1日 更新  



 第 2章 「フ゛ール 代数」 では、まず、論理式が計算できることを理解してほしい。
 つまり、「論理の算術化」 を理解してほしい。

 以下の 2点を習得されたい。

 (1) 論理の 「AND」 は、算術では、「× (掛け算)」 になる。
 (2) 論理の 「OR」 は、算術では、「+ (足し算)」 になる。

 とすれば、真を 「1」 として偽を 「0」 として、命題 p の真偽値を f (p) を使って記述し、命題 q の真偽値を f (q) を使って記述すれば、真理値表を以下のように演算できる。

 f (p)= 1 かつ f (q) = 1 のとき、
 f (p∧q) は、「f (p×q)」 のことだから、「f (1×1)」 であるから、答えは 「1 (真)」 となる。

 同様にして、
 f (p)= 1 かつ f (q) = 0 のとき、
 f (p∧q) は、「f (p×q)」 のことだから、「f (1×0)」 であるから、答えは 「0 (偽)」 となる。

 論理否定は以下の式になる。 f (¬p) = 1 − f (p).

 
 したがって、フ゛ール 代数を使えば、真理関数の恒真性を検証することができる。
 拙著 「論考」 の 45ヘ゜ーシ゛ には、様々な フ゛ール 関数の形を示しておいたが、上述した基本形を理解しておけば、すべての式を理解できるはずである。□



[ 補遺 ] (2006年 3月 1日)

 フ゛ール 代数が テ゛ータ 設計のなかで大切な役割を果たすのは、「周延」 (セット と サフ゛セット が同値類であること) を検証するときである。たとえば、以下を考えてみる。

  申込者: {申込者番号、申込者氏名、申込者年齢層区分 コート゛、...} [ R ]
        │
        = [ 申込者年齢層区分 コート゛ ]
        │
        ├ 20歳代
        │
        └ 30歳代

 第一階述語論理のなかで--個体と その セット を対象とする logic のなかで--、個体が個体として存在すること (「周延」) を破らないためには、1つの セット のなかで、いくつかの サフ゛セット のあいだに 「交わり」 が起こってはいけない--したがって、サフ゛セット のあいだには、「排他的 OR」 関係が成立していなければならない。

 上述した例では、「20歳代」 と 「30歳代」 のあいだには、「排他的 OR」 関係が成立しているので、一見したところでは、妥当なように思われるが、セット と サフ゛セット は同値類なので--区分 コート゛ は、セット のなかを仕切っただけなので、サフ゛セット の総計 (基数) が セット の総計 (基数) となるはずだが、例では、「排他的 OR」 関係が成立していても、かならずしも、サフ゛セット の総計 (基数) が セット の総計 (基数) になっているかどうかを判断できない。

 本節で記述しているように、「論理の OR は、算術の +」 である。したがって、「20歳代 + 30歳代」 の個体数が、セット (申込者) の個体数になるかどうかを検証すれば良い。

 数学は テ゛ータ 設計と無関係であるようにうそぶいている人たちが多いが、戯言である。もし、そうなら、そういう人たちの作った 「構造」 は、恣意性を免れないし、「妥当な構造」 かどうかも怪しい。

 




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