2009年 8月 1日 「技術編-33 みなし スーパーセット」 を読む >> 目次にもどる

 

 「みなし スーパーセット」 は単純に言えば 「クラス」 概念です。「赤本」 で、「entity に対して適用した例」 と 「アトリビュート に対して適用した例」 を示しているので、取り立てて補足説明はいらないでしょう。

 「みなし スーパセット」 は、「セット」 概念で謂えば──「ZF の公理系」 では──、以下の 2つの公理を使った 「和集合」 と云ってもいいでしょう。

 (1) 対の公理

 (2) 置換公理

 つまり、ふたつ (以上の) 集合──たとえば、A および B ──が存在していて、それらの和集合 { A ∪ B } において、性質 f (x) が認識されるのであれば、{ A ∪ B } を ひとつの集合として考えていい、ということ。この意味では、「クラス」 と 「セット」 を同じと考えていいでしょう。セット に対して上位の セット (和集合) を仮想するという意味で 「スーパーセット」 と言いかたをしています。さらに、和集合の性質を TM 上 記述しない、という意味において──すなわち、和集合の性質を記述しないけれど、和集合が存在するとみなす、という意味において──、「みなし」 という言いかたをしています。

 「みなし スーパーセット」 の使いかたは、色々と考えられるのですが、一番に基本的な使いかたは、「みなし スーパセット」 を生成したら、「みなし スーパーセット」 と 「セット」 のあいだに成立する関係を 「セット と サブセット」 の関係として翻訳する使いかたです。そして、「セット と サブセット」 のあいだに成立する関係上の性質──すなわち、サブセット 間の排他的関係とか、サブセット の総和がセット になるとか──を検証すればいいでしょう。たとえば、「赤本」 で、「営業所」 entity と 「特約店」 entity に対して、「取扱店」 という 「みなし スーパーセット」 を構成していますが、「取扱店」 において、「営業所」 entity と 「特約店」 entity は排他的かどうか──言い換えれば、「営業所かつ特約店は存在しない」 こと──を確認すればいいでしょう。アトリビュート に対する 「みなし スーパセット」 の例として 「単価」 を示していますが──「商品単価」 と 「受注単価」 に対して、「単価」 という 「みなし スーパーセット」 を構成していますが──、アトリビュート に対する 「みなし スーパセット」 も、entity に対する 「みなし スーパーセット」 と同じように、「セット と サブセット」 に翻訳して、「構造の妥当性」 を調べればいいでしょう。

 実地の作業では、「みなし スーパーセット」 は、以下の ふたつを検討するために使います。

 (1) 構造の妥当性

 (2) 改善案の提言

 「構造の妥当性」 というのは、もし、「みなし スーパーセット」 の構成員である セット のあいだで、いちぶ まじわる現象が起これば、まじわりを除去するために なんらかの対応をしなければならない、ということです。たとえば、「取引先」 という概念 (「みなし スーパーセット」) の下に、「納入先」 entity と 「出荷先」 entity が存在していて、それらの entity のあいだに いちぶ まじわり が起これば、妥当な構造ではないので、「取引先」 という概念を実際の entity として具体化して [ 構成して ]、「納入先 コード」 および 「出荷先 コード」 を 「分類 コード」 として使うように訂正したほうがいいでしょう。

 「改善案の提言」 というのは、たとえば、前述した例で謂えば、「取扱店」 の サブセット として、「営業所」 あるいは 「特約店」 が実存しているのですが、他の サブセット を新たに導入できないか、と [ たとえば、「代理店」 という新機能を導入できないか、と ]。こういう概念の検討は、勿論、描かれた構成のみを観ていても生まれないので、事業に関する知識を持っていなければ浮かばないでしょう。

 以上の ふたつの検討は、「みなし スーパーセット」 が たとえ 概念であっても、勿論、システム・エンジニア のみが憶測で おこなうのではないのであって、ユーザ といっしょに進めるべき検討です。 □

 



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