2001年 5月13日 「日付」は identifier か >> 目次 (作成日順)
  ● QUESTION   identifier として、「日付」 を使うことはあるか。
  ▼ ANSWER   ない。
2006年 6月16日 補遺  




 (1) 「日付」 は、entity を類別するための (「event」 が成立するための) 判断規準である。
   「日付」 が identifier になることはない

 (2) ただし、「人為的に定義された」 日付は、このかぎりではない。
   例えば、「期 コード」 、「週 コード」 あるいは 「(工場の) カレンダー番号」 など。



▼ 具体例 (「日付」 が identifier にならない)

 ┌─────────────────┐
 │       日 付      R│
 ├────────┬────────┤
 │日付      │日付名称    │
 │        │        │
 │        │        │
 │        │        │
 │        │        │
 └────────┴────────┘

 
前提:

「日付」 が resource であるとすれば、(resource に帰属する) 以下の性質を仮想してみればよい。
  名称、重さ、丈 (length)、色などなど。

 2001年 5月13日を 「正美」 とは呼ばない。 2001年 5月12日は 70s、182p、黄色でもない。

 日付が identifier となるのは、グリニッジ 天文台とか、カレンダー を製造する特殊な組織である。
 一般の組織では、「日付」 が resource (したがって、identifier) になることはない。



[ 補遺 ] (2006年 6月16日)

 「index-key」 (特に、データ の 「一意性」 を示す マスター・キー) のなかに、「日付」 を使うことがある。
 しかし、TM (T字形 ER手法) がいう 「認知番号 (identifer)」 は、「index-key」 のことではない

 「認知番号」 は、事業過程に関与している人たちが合意して使っている個体指示子のことをいい、具体的には、コード 体系のなかで定義されている個体指示番号 (コード) をいう。そして、その コード には、適用範囲があるので、適用範囲を超えたら、コード の値は、かならずしも、一意にはならない。たとえば、以下を考えてみる。

   {契約番号、営業所コード (R)、契約日、...}.

 この例では、契約番号は、「契約」 event を指示する認知番号として使われている。
 もし、契約番号が、営業所ごとに、連番を付与されているのであれば--言い換えれば、契約番号が営業所ごとに適用されているのであれば--、契約番号の値は、1つの営業所のなかでは、一意であるが、2つの営業所では、同じ値が存在する。したがって、認知番号の値は、かならずしも、一意にはならない。

 どのような 「index-key」 (データ を 一意にアクセス するための index-key) を使うか は、データ 構造を作ったあとで、「キー (index-key) の定義表」 を作成して判断すれば良い。その際に、「日付」 を 「index-key」 のなかにふくめるかもしれないし、ふくめないかもしれない。いずれにしても、くれぐれも、「認知番号」 と 「index-key」 を混同しないように注意されたい。




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